2023 Fiscal Year Research-status Report
COPDにおける好中球炎症機構に対する補体活性因子の同定とその役割の解明
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23K07640
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
木下 隆 久留米大学, 医学部, 講師 (90454917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 友昭 久留米大学, 医学部, 教授 (00261066)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 補体 / 好中球炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD)は肺の生活習慣病と言われている。最近、COPDは全身性炎症を伴うことで多種多彩な全身性併存症や肺合併症が問題視されている。禁煙および吸入ステロイドや気管支拡張薬による治療で患者の生活の質や生命予後は改善してきたが、単なる対症療法に過ぎず、根本的な治療には至っていないのが現状である。最近、当科で抗MDA5抗体誘導性肺障害マウスモデルから補体C3遺伝子を欠損することで肺障害が減弱すること報告し、肺障害が補体依存性であることを示している(Zaizen et al. Respiratory Research)。本研究で、COPDの術後肺、末梢血および誘発喀痰におけるC3の発現を評価することで、COPD病態、さらには全身炎症に伴う併存症の進展に対する予測マーカーまたは新規治療につながるかを検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
安定期と増悪期の評価も検討しているが、コロナ禍からCOPD増悪する研究対象者が少ない。また、摘出肺自体、ホルマリンの影響のためかC3免疫染色の適正抗体量の決定に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、動物実験を先行させていく。PPE誘導性COPDマウスモデルにおいてPPE投与初期で肺障害を起こすので、急性期から慢性期まで時間経過におけるC3値と器質的変化の関連性を確認していく。並行して引き続き摘出肺、末梢血および誘発喀痰の評価作業を継続する。
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Causes of Carryover |
採取検体や免疫染色、対象者数の問題により試薬の購入支出が少なかった。今年度は、試薬購入の継続と今後の動物実験のためのマウス購入およびマウス実験用の試薬の購入に使用したいと考えている。
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