2023 Fiscal Year Research-status Report
1細胞空間遺伝子発現による難治性呼吸器疾患に対する肺マクロファージ移植機構の解明
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23K07646
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊狩 潤 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50734604)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 肺線維症 / 慢性閉塞性肺疾患 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、肺線維症モデルマウスにおいてBMDM移植を行い、肺線維症におけるMφの役割を明らかにすることを目的に研究を実施した。C57BL/6野生型マウスの骨髄単核細胞をM-CSFおよびGM-CSFの存在下で7日間in vitroで培養し、bone marrow-derived macrophages(BMDM)を作製し、鏡検による形態学的特徴とフローサイトメトリーによる細胞表面分子の解析を行った。次にbleomycin (BLM)誘導性肺線維症モデルを作成し、BMDM移植を行った。day1にPBSを投与し、day7に を投与する2群(PBS+PBS群、PBS+BMDM群)と、day1にBLMを投与し、day7にPBSまたはBMDMを投与する2群(BLM+PBS群、BLM+BMDM群)を作製した。鏡検像による形態的特徴と細胞表面マーカーはMφとプロファイルと一致し、培養細胞はBMDMの形質を示した。In vivoではBLM+PBS群、BLM+BMDM群では体重減少と死亡率が上昇した。また、BLM+PBSとBLM+BMDM群の乾燥肺重量は、それぞれPBS+PBS、PBS+BMDM群と比較して有意に増加した。BLM+BMDM群は、BLM+PBS群に比し、肺乾燥重量が増加したが統計的有意性は認めなかった。BLM+BMDM群は、他群と比較し乾燥肺対体重比の有意な増加を示した。以上より、肺線維化はBLM+BMDM群で他群より増強したことが示唆された。今後は線維化スコアリングを含めた病理解析、炎症プロファイルなど解析を追加する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は線維化スコアリングを含めた病理解析、炎症プロファイルなど解析を追加する予定である。さらにBLM、ELA投与モデルにおいて、CAG-EGFPマウス由来BMDMを移植する。そのうえで細胞系譜追跡(フローサイトメトリー、組織免疫染色)MΦ移植によるレシピエント肺細胞動態と移植細胞の系譜追跡のために、肺組織を細胞分散しフローサイトメトリーを行い、MΦ移植が与える肺構成細胞の細胞死、増殖能への影響を評価する。肺組織免疫染色を行い、移植細胞分布と周辺細胞の種類、移植MΦ分布と疾患肺の空間的関連性を明らかにする。さらにマウス肺組織を分散しシングルセルRNA解析を行う。以上により、移植細胞、レシピエント細胞挙動の検出と移植効果に重要な細胞間シグナルを明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度はBMDMの作成や疾患モデルマウスへの投与実験や条件設定が中心となったため、物品費が想定より少額となった。2024年度は系譜解析やシングルセル解析など詳細な解析を行うため適切に研究費を使用する予定である。
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[Presentation] Effects of macrophage transplantation in bleomycin-induced pulmonary fibrosis in mice2023
Author(s)
J. Ikari, E. Suzuki, M. Katsumata, M. Suzuki, A. Shimada, N. Tanaka, K. Yamamoto, A. Sekine, Y. Kasuya, K. Tatsumi, T. Suzuki
Organizer
European Respiratory Society International Congress 2023
Int'l Joint Research