2023 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病の発症・進展予防におけるTNF関連分子の包括的制御機構の解明
Project/Area Number |
23K07681
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
合田 朋仁 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (20365604)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村越 真紀 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60599249)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 糖尿病関連腎臓病 / TNF / TNF受容体 / EphA2 / 慢性腎臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
640人の糖尿病患者において、糖尿病関連腎臓病の進展予測マーカーとしてEphA2、TNFα、TNF受容体 (TNFRs:TNFR1、TNFR2)、プグラヌリン(PGRN)、オステオプロテジェリン(OPG)のTNF関連マーカーを測定した。中央観察期間5.4年間に75人が腎アウトカム(ベースラインから30%eGFR低下)、また、37人が腎アウトカム発症前の死亡アウトカムに到達した。腎アウトカムを主要評価項目、複合アウトカム(腎アウトカム+死亡)を副次評価項目としてTNF関連マーカーとの関連性を解析した。血中TNFRsとEphA2は、ベースラインのeGFR、尿アルブミンとは独立して腎予後のみならず、複合アウトカムを予測するマーカーであることを確認した。さらに既存の報告でもTNFRsは腎予後を予測する強力なマーカーであることが報告されているため、ベースラインeGFR、尿アルブミン、TNFRで補正した感度解析を行っても、EphA2は腎予後を予測する強力なマーカーであったが、TNFαは有意な予測因子ではなかった。一方、血中OPGは、複合アウトカムとのみ関連が認められた。 PGRN-KOマウスに片側尿管結紮(UUO)を行った場合、腎組織の炎症・線維化はどのように変化するかを検討している。当初の予測と異なり、UUO処置後のKOマウスでは、尿細管障害(尿細管管腔の拡張や一部管腔内の円柱形成、尿細管間質の拡大・細胞浸潤および線維化)などの組織学的変化は、UUO処置後のWTマウスに比較して改善していることが確認された。今後、TNF関連マーカーをはじめとした、炎症関連分子の腎組織におけるmRNA発現についても検討予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
糖尿病患者の血中TNF関連マーカーの測定は終了して、解析後、すでに論文化されている。 また、基礎研究に関しては、PGRNノックアウトマウスに片側尿管結紮(UUO)を行った腎線維化モデルを確立できて仮説を検証中である。当初想定していた結果とは異なるも、興味深い結果が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでおり、予定通り研究を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
予定通り使用していったが、若干余りました。次年度、使用予定です。
|