2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K07682
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
溝渕 正英 昭和大学, 医学部, 准教授 (90465203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 憲 昭和大学, 医学部, 講師 (20644305)
緒方 浩顕 昭和大学, 医学部, 教授 (30296959)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | FGF23 / 筋芽細胞 / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、マウス筋芽細胞(C2C12細胞)を用いて、FGF23のC2C12細胞の分化や増殖の合成系および、分解系の各種マーカー発現を検討した。具体的には1.C2C12+DMSO、2.C2C12+FGF23添加(0-1mMに濃度を振り分け)の各系において、FGF23が直接的にC2C12細胞に作用を有するのかの検討のため、骨格筋分化マーカーのmyogenin、myogenic differentiation 1(MyoD)、myosin heavy chain (MHC)や合成系シグナルのAkt、分解系ではユビキチン-プロテアソーム系のantrogin1やMuRF、オートファジー不全マーカーであるp62の遺伝子発現を解析した。これらの遺伝子発現のうち、分化マーカーの発現低下傾向が確認できたが、他のマーカー発現に顕著な差は確認できておらず、現在培養期間や試薬添加開始時期などの実験系の再調整を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
C2C12細胞にFGF23(0-1mM)を添加し、骨格筋分化マーカーのmyogenin、myogenic differentiation 1(MyoD)、myosin heavy chain (MHC)や合成系シグナルのAkt、分解系ではユビキチン-プロテアソーム系のantrogin1やMuRF、オートファジー不全マーカーであるp62の遺伝子発現を解析している。FGF23の直接作用の検証のための、安定した培養実験系の条件設定に時間を要している。また、FGF23とリンや尿毒症性物質インドキシル硫酸とのC2C12細胞への相互作用についての検討も計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
培養実験による、FGF23の筋芽細胞への直接作用の存在が確認できた後は、動物実験による検証を進める。具体的には、8週齢の野生型C57BL/6Jマウスを正常コントロールマウス(NC)に用いる。同マウスに0.2%アデニン混入飼料を4週間摂餌したCKDマウス(CKD)を作製した後、1.NC+溶媒、2.NC+FGF23、3.CKD+溶媒、4.CKD+FGF23の各群を設ける。FGF23はマイクロインフュージョンポンプを用いて、頸静脈内に持続的に100µg/kg/日の高用量を14日間投与する。投与後に体重と前脛骨筋、ヒラメ筋の重量、握力を測定する。筋組織は筋線維断面径も測定し、細胞実験と同様に、FGF受容体およびその下流シグナルと、前述の筋代謝の各種マーカーの遺伝子および蛋白発現をリアルタイムPCRや免疫組織化学、ウェスタンブロッティングにて解析する。さらに、大腿骨を採取し、骨形態計測により骨の形態学的変化も解析する。これらにより、高用量FGF23の骨格筋への作用機序と、骨リモデリングや粗鬆化など骨病変との関連性について検証できる。
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Causes of Carryover |
初年度で新規の実験であり、細胞実験の条件設定に時間を要しており、実験の遂行が遅れている。そのため、次段階実験用の試薬等の購入の必要性がなかったため、翌年度に余剰研究費として計上し使用予定とした。
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