2023 Fiscal Year Research-status Report
全身性強皮症の線維化に対する制御性T細胞を標的とした新規治療
Project/Area Number |
23K07758
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
横山 洋子 群馬大学, 医学部, 技術専門職員 (00241901)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 全身性強皮症 / 皮膚線維化 / 制御性T細胞 / Th17細胞 / 寄生虫感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
全身性強皮症は、皮膚および内臓臓器の線維化、血管異常、免疫異常を特徴とする原因不明の自己免疫性疾患である。免疫異常としてTh17細胞の増加・活性化と制御性T細胞の抑制が関連していることが想定されているが、十分には解明されていない。そこで本研究では全身性強皮症の皮膚線維化におけるTh17細胞と制御性T細胞の役割(バランス異常)についての検討を行っている。まず、制御性T細胞の活性化や増加が皮膚線維化に及ぼす影響を明らかにするために、蠕虫(制御性T細胞を活性化させる働きを持つ)を経口感染させたマウスにブレオマイシンを皮下注射して線維化を誘導する実験を行い、マウス皮膚に浸潤する制御性T細胞数や局在の変化を見るために、Foxp3の免疫染色を試みている。加えて、炎症や免疫に関わる細胞の免疫染色も行い、それらの変化についての検討も行なっている。また、全身性強皮症患者の便を用いて菌叢解析を行い、びまん皮膚硬化型強皮症、重症皮膚硬化、指尖潰瘍、間質性肺疾患などの特徴を有する強皮症患者は、他の強皮症患者や健常者と異なる腸内細菌叢を有していることを明らかにしつつあるが、さらに症例数を増やして解析を行うとともに、具体的な細菌の特定を進めている。治療前後の全身性強皮症患者の血液から回収した末梢血単核細胞や血清を用いて、フローサイトメトリーやリアルタイムPCR等を行い、制御性T細胞とTh17細胞のバランスやその他の免疫細胞の変化についての検討も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究はおおむね終了しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得た成果を発展させて、今後予定している研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
理由:予定していた予算に基づき使用していたが、未使用の予算が生じたため。 使用計画:予定している研究を遂行するための物品の購入に使用する。
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