2023 Fiscal Year Research-status Report
Involvement of resident memory T cells in refractoriness of alopecia areata and development of new treatment
Project/Area Number |
23K07761
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 泰介 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (90293638)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 円形脱毛症 / レジデントメモリーT細胞 / CD103 / FABP4 |
Outline of Annual Research Achievements |
円形脱毛症の難治例では、毛球のすぐ近くにCD3+ T細胞が密集して浸潤しているが、浸潤しているT細胞の数は少ないと思われる。このことは、浸潤細胞集団が毛包上皮に沿って長期間滞留していることが、脱毛症の症状が改善しない原因である可能性を示唆している。本研究では、治療抵抗性の慢性AA患者5人と急性AA患者2人の病変組織を用いて、CD8+皮膚TRM細胞の免疫組織学的研究を行った。皮膚TRM細胞の同定には、AAにも関与が報告されているCD69とCD103を用いた。免疫染色は蛍光抗体による多重染色で行った。染色標本はNanoZoomerを用いてデジタル画像に変換し、画像データは画像解析ソフトStrataQuestを用いてイメージサイトメトリーによる客観的定量解析を行った。同じ方法で、経口JAK阻害剤で改善した難治性AA症例の治療前後の病変組織も評価した。難治性症例は、局所免疫療法、経口副腎皮質ステロイド、皮内副腎皮質ステロイド注射など、さまざまな治療に6ヵ月以上抵抗性の慢性AA患者5人と定義した。難治性の症例ほどCD8+CD103+T細胞とCD69+CD103+T細胞が多い傾向がみられた。その後、この脱毛病変に対して接触免疫療法と経口コルチコステロイドが有効性を示さなかったため、1人の患者にバリシチニブ(JAK1/2阻害薬)が投与された。バリシチニブ投与5ヵ月後、バリシチニブに対する良好な反応がみられ、SALTスコアは100から30に減少した。5ヵ月後の皮膚生検で脱毛部位と発毛部位を確認したところ、CD69+CD103+のレジデントメモリーT細胞が発毛部位(JAK1/2に対する反応部位)に比べ脱毛部位(不応症部位)で依然として多く認められた。また、FABP4+細胞数は改善部位では減っていたが、治療抵抗性部位では残存していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
順調に進んでいる。検体数をもう少し増加させる必要がある。またC3H/HeJモデルマウスの樹立を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
6:C3H/HeJマウスによる検討 円形脱毛症を発症したC3H/HeJマウスの鼠径、腋窩リンパ節よりリンパ球を採取し、30IU/ml IL-2、IL-7 (25 ng/ml)、IL-15 (50 ng/ml)、Dynabeads T-Activator CD3/CD28とともに5日間培養後、8週齢の未発症マウスに皮内注射することで、円形脱毛症を誘導する(Wang et al. J Invest Dermatol 2015)。 通常、皮内注射の約1ヶ月後に90%以上の確率で誘導可能である。マウス脱毛部位において、発症直後のマウス皮膚でのTrmの浸潤度合いを免疫組織化学的検討する。さらに範囲が拡大しなかなか改善しないマウスにおいて、適宜Trmの浸潤度合いを検討する。バリシチニブ内服によってマウス円形脱毛症が改善するかどうかを検討しとくにTrmの存在に対する効果を確認する。
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Causes of Carryover |
わずかに使用額が残ってしまったが、これはマウス購入費が少なかったためである。
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