2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation and Regulation of Skin Aging Resistance Mechanisms
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23K07763
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
生野 泰彬 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (40972758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 勇人 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40528212)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 老化 / 皮膚老化 / 慢性炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規の老化耐性制御遺伝子を同定するためには、簡便なin vivoでの遺伝子スクリーニング系が必要となる。そこで、肝臓特異的プロモーターを組み込んだアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを作成し、肝臓特異的な遺伝子の機能阻害ができるかどうか検討を行った。レポーター遺伝子を用いた評価では、肝臓特異的なAAVベクターの導入に成功した。すでに、Crispr-Cas9システムを用いた、複数の老化耐性制御遺伝子のノックアウトAAVベクターの作成が完了している。 また、新規の老化耐性制御遺伝子のレスキューにより老化現象を遅らせることができるかを評価するためには、簡便なin vivoでの遺伝子導入系が必要である。すでに、上記の肝臓特異的プロモーターを組み込んだ、老化耐性制御遺伝子の発現AAVベクターの作成が完了している。 さらに、既存の早老症モデルマウスは生理的な老化を模倣できていないと考え、簡便に生理的な老化を模倣できる老化モデルマウスの作成を試みた。複数の薬剤を投与することで、実際の生理的老化で生じていることをある程度模倣した、老化表現型を有するマウスの作成に成功した。このマウスを解析すると、皮膚だけでなく、多臓器に老化表現型を確認できた。また、この老化模倣マウスを脱毛させた後の、再発毛するまでの期間や、発毛した毛を評価することで、マウスを殺さずに皮膚老化表現型を確認できる再発毛評価モデルの確立に成功した。 研究代表者が所属する滋賀医大皮膚科学講座と協力した、ヒト試料を用いた解析についても準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、肝臓特異的な遺伝子の機能阻害・導入の系の確立が進んでいる。また、薬剤経口摂取による老化モデルマウスの作成に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoでの遺伝子スクリーニング系および薬剤経口摂取による老化モデルマウスを用いた解析を進めて、肝臓における皮膚老化耐性機構に重要な遺伝子の探索・同定・機能解析を進める。同時に、ヒト試料を用いた解析についても準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
前年度に購入していた備品等によって、物品費を節約できたため。 次年度は、研究計画に沿った物品費や、国際学会の旅費に用いる予定である。
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