2023 Fiscal Year Research-status Report
サルコイドーシスの肉芽腫形成おけるエネルギー代謝経路の同定
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23K07782
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中溝 聡 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (30769740)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | サルコイドーシス / 肉芽腫 / マクロファージ / ペントースリン酸回路 / 1細胞RNAシークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコイドーシスは、様々な臓器に肉芽腫を形成する原因不明の疾患であり、特異的な治療法は確立されていない。本研究では、サルコイドーシス患者の皮膚検体を1細胞RNAシーケンスで解析し、肉芽腫形成のメカニズムを検討した。皮膚サルコイドーシス肉芽腫ではアンジオテンシン変換酵素とリゾチームを発現するマクロファージが増加していた。これらのマクロファージはペントースリン酸回路(PPP)関連酵素が亢進していた。免疫染色の結果、肺、リンパ節、心臓など、皮膚以外の肉芽腫病変でもPPP関連酵素の発現が上昇していた。ヒト末梢血単核球を用いたin vitro肉芽腫モデルやマウス肉芽腫モデルおいてもPPP関連酵素の阻害により肉芽腫形成が阻害された。本研究により、PPP関連酵素が上昇したマクロファージが肉芽腫を形成すること、PPP関連酵素が肉芽腫性疾患の治療ターゲットとなることが解明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
すでに論文がAcceptされている。
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Strategy for Future Research Activity |
同定したペントースリン酸回路、FBP1の阻害剤が臨床応用できる可能性を探るために、阻害活性と肉芽腫抑制機能がリンクしているか、生体内での阻害剤の薬物動態などを検討する。
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Causes of Carryover |
本年度は新規マウスの作成、細胞培養条件の検討を主に行ったため本年度の支出が少ない。次年度に解析を行うために次年度に今年度余った助成金も合わせて使用する。
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