2023 Fiscal Year Research-status Report
Molecular basis of RNA modification in immune response after transplantation and cell therapy and novel biomarkers
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23K07803
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大西 康 東北大学, 大学病院, 講師 (10509574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 亜希子 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (00868565)
加藤 浩貴 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50801677)
魏 范研 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90555773)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | RNA修飾 / 免疫細胞療法 / 造血幹細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性血液悪性腫瘍に対する同種造血幹細胞移植および、遺伝子改変T(CAR-T)細胞療法は根治を期待できる治療法として広く施行されているが、移植片対宿主病(GVHD)、サイトカイン放出症候群(CRS)、免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS)など免疫関連の合併症管理が依然として重要な問題である。これら免疫病態への介入においても、症例ごとの個別化・細分化が必要と考えられるが、介入をガイドする有効な検査指標が存在しないことが課題となっている。本研究は、上記免疫病態におけるRNAエピトランスクリプトームの分子基盤を解明し、臨床経過と血中修飾ヌクレオシドの変動に基づく新規治療バイオマーカーの確立を目的としている。当該年度においては、同種造血幹細胞移植を施行された30例以上の症例において前処置開始前から移植後の連続した検体を保存し、網羅的修飾RNAの解析を行い、移植後の合併症との関連を解析した。または CAR-T細胞療法を施行された患者の検体を用いて網羅的修飾RNAの解析を行い、CRS発症の前後の変動、CRS発症の有無による違いを検討した。現在、GVHDおよびCRS発症時に上昇する修飾RNAを同定し、免疫制御因子としての生理活性についての解析を継続している。次に、T細胞免疫応答と修飾RNAの関連を解析するため、in vitroにおけるマウス由来T細胞分化系の構築を行なった。Th1、Th2、Th17、Tregへの分化誘導培養時に変動する修飾RNAの同定を進めている。T細胞以外の血球との関連を見るために、薬剤や放射線によるマウス造血障害モデルを構築し、造血能の変動に応じた修飾RNAの変化を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
同種造血幹細胞移植および遺伝子改変T細胞療法を施行された患者の検体集積が順調に行われ、質量分析装置の最適化により解析を効率よく進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
修飾RNAの解析結果と臨床イベントおよび血液生化学データとの関連性について統計解析を進め、有用なバイオマーカーを抽出するとともに、免疫細胞におけるRNA修飾代謝経路の機能解析を進める。
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Causes of Carryover |
解析の効率化により予定よりも少ない量の試薬で解析を進めることができたため。
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