2023 Fiscal Year Research-status Report
Optimizing immunity in hematopoietic stem cell transplantation focusing on HLA epitopes
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23K07811
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
進藤 岳郎 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 共同研究講座教授 (10646706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諫田 淳也 京都大学, 医学研究科, 講師 (30636311)
渡辺 亮 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (60506765) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 組織適合性抗原多型 / アロ反応性増殖 / 細胞内シグナリング / HLAエピトープ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では造血幹細胞移植における組織適合性抗原多型、特にhuman leukocyte antigen(HLA)の不適合による免疫反応に着目している。近年はHLAの構造単位としてHLAエピトープの存在が明らかとなったが、その機能的意義には不明な点が多い。本研究ではエピトープレベルでのHLA多型の意義の検証を目的とする。 基礎的検討においてはHLA不適合を有する2人のリンパ球を混合し、一方をstimulator、他方をresponderとした系を確立した。5-7日間共培養してresponderの細胞内シグナリングの活性化パターンをリン酸化フローサイトメトリーで明らかにする。2023年度中に実験系の確立を達成し、多数のstimulator/responderペアで検証を進めた。HLAエピトープ多型はコンピューターソフトウェアHLA matchmakerで定義でき、不適合エピトープと細胞内シグナリングとの相関性が明らかになってきた。 臨床的検証として、当学で実施される同種造血幹細胞移植における前方視的臨床研究の準備を完了した。移植症例から定期的に末梢血を採取しT細胞内のシグナリングや免疫チェックポイント分子の発現をリン酸化フローサイトメトリーなどで解析し、HLAエピトープの不適合との相関性を検証し、前項の結果と照合する計画である。2023年度には本臨床研究のプロトコールを完成し、施設内倫理委員会の審議を受けた。2024年度初頭には研究を開始できる見込みである。 今回はin vitroおよびin vivoでの検討結果に基づきアロ反応における活性化シグナルの予測アルゴリズム開発を目指す。HLAエピトープ多型に基づき活性化される細胞内シグナリングを予測できれば、移植後免疫抑制療法の最適化への道が開かれると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎的検討については実験系が完成し、順調にデータを積み重ねることができている。臨床研究については倫理的準備を完了し、前方視的な検体採取に向けて最終的なスタートアップ作業に入っている。HLAエピトープの免疫原性検証に向けては実験系の確立を完了し、仮説に矛盾しない所見が得られている。 シグナル阻害剤が抗腫瘍免疫を抑制しないかを動物モデルで検証する予定だが、申請者は既に実験系を確立済みである。総じて評価系は確立され、データの蓄積があれば仮説の検証ができる状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro実験による基礎的検討を進め、HLAエピトープの不適合と細胞内シグナリングの活性化パターンの相関性を明らかにする。続いてヒト移植症例を対象とした前方視的臨床研究により、上記結果を検証する。両結果をふまえ、HLAエピトープの不適合に基づいて細胞内シグナリングの活性化パターンを予測するアルゴリズムを開発する。続いて個々の移植症例に最適な免疫抑制戦略を開発するため、HLAエピトープの不適合に基づいてそれに適したシグナル阻害剤を投与する戦略をin vitroのリンパ球混合試験の系で確立する。そしてそれらのシグナル阻害剤が抗腫瘍免疫を抑制しないかin vivoのマウスモデルで検証する。 以上の結果に基づき、実地臨床での応用に向けて前方視的な検証的臨床研究を計画する。すなわち最終的には、移植前のHLA不適合に基づき最適な免疫抑制療法を提案するアルゴリズムを開発する。近年は少子化のため臍帯血移植やHLA半合致移植などHLA不適合移植が増加しており、これらにおける最適な免疫抑制療法が何か確定的なデータは乏しい。本研究はこの課題に回答を与え、移植成績の向上に貢献すると期待される。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] KIR3DL1-HLA-Bw status in CML is associated with achievement of TFR: the POKSTIC trial, a multicenter observational study2024
Author(s)
Ureshino H, Ueda Y, Fujisawa S, Usuki K, Tanaka H, Okada M, Kowata S, Murai K, Hirose A, Shindo M, Kumagai T, Takeoka T, Kamachi K, Kidoguchi K, Shindo T, Iyama S, Inamura J, Nakao T, Kobayashi T, Kawata Eri, Ohkawara H, Ikezoe T, Kawaguchi A, Kimura S
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Journal Title
Blood Neoplasia
Volume: 1
Pages: 100001~100001
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Oral HDAC inhibitor tucidinostat in patients with relapsed or refractory peripheral T-cell lymphoma: phase IIb results2023
Author(s)
Rai S, Kim WS, Ando K, Choi I, Izutsu K, Tsukamoto N, Yokoyama M, Tsukasaki K, Kuroda J, Ando J, Hidaka M, Koh Y, Shibayama H, Uchida T, Yang DH, Ishitsuka K, Ishizawa K, Kim JS, Lee HG, Minami H, Eom HS, Kurosawa M, Lee JH, Lee JS, Lee WS, Nagai H, Shindo T, Yoon DH, Yoshida S, Gillings M, Onogi H, Tobinai K
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Journal Title
Haematologica
Volume: 108
Pages: 811~821
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] ATLに対する非血縁骨髄移植後の再発はKIR3DL1 educated ドナーで抑制される2023
Author(s)
森田真梨, 進藤岳郎, 川口修治, 諫田淳也, 加藤光次, 中野伸亮, 衛藤徹也, 宮﨑泰彦, 今田和典, 一戸辰夫, 福田隆浩, 鬼塚真仁, 松田文彦, 髙折晃史
Organizer
第9回日本HTLV-1学会学術集会
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[Presentation] 臓器横断的な観点から見た移植後のドナー特異的抗体(DSA)発生要因とその影響2023
Author(s)
平田真章, 伊藤孝司, 進藤岳郎, 八木真太郎, 田中里奈, 藤本僚, 中村健治, 万木紀美子, 菱田理恵, 小林恭, 伊達洋至, 波多野悦郎
Organizer
第22回日本移植学会総会
Invited
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