2023 Fiscal Year Research-status Report
The relation between acute lung injury after hematopoietic cell transplantation and lung microbiome
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23K07843
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
瀬尾 幸子 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (60401121)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 微生物叢 / 急性肺障害 / 造血幹細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞移植後の急性肺障害は重篤な移植後合併症であり、原因として感染症や免疫反応等が挙げられるが、その致死率は50-80%にも至る。近年、gut microbiomeを中心としたmicrobime(微生物叢)研究が盛んであり、microbimeが様々な疾患に関わっていることが明らかになってきている。肺における微生物叢(Lung microbiome)の研究も遅れてはいるものの、徐々に進んできており、特発性肺線維症や肺がんに関与していることが明らかとなってきている。本研究では、移植後急性肺障害を起こした症例を対象として、造血幹細胞移植による抗生剤や免疫抑制剤投与による、Lung microbiomeの破綻が、急性肺障害の発症あるいは病態悪化を引き起こしているとの仮説のもと、急性肺障害患者におけるLung microbiomeの特徴を明らかにし、致死的である移植後急性肺障害の治療法確立するための一助となればと考えている。 本研究は研究代表者の施設および国内の研究協力施設を含めた5施設で症例登録を開始している。同種造血幹細胞移植後1年以内に生じた急性肺障害に対して、気管支鏡検査が施行された場合に、その採取された気管支肺胞洗浄液を用いて、各種細菌、真菌検査および、網羅的な呼吸器ウィルス、サイトメガロウィルス、HHV-6の検査を行っている。また、環境中の微生物の混入を解析時に除外するため、気管支鏡自身の洗浄液の保存も同時に行っている。microbiomeの解析は、症例蓄積後に一度に解析する予定であり、現在はまだ試行していない。 気管支肺胞洗浄液を用いた網羅的な呼吸器ウィルスの解析は、これまで日本では確立した系が存在していなかたっため、その系の確立のために時間を要した。系がまだ不安定な部分があるため、今後引き続き解析系が問題なく動いていることを確認しつつ、症例蓄積に努めていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度から試験開始であり、倫理審査など研究遂行のための準備に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
現状を続けて、症例蓄積を行っていく。また、症例登録件数を増やすため、研究協力施設を増やすことを検討している。
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Causes of Carryover |
本年度は研究初年度で倫理審査などの手続きのため、症例登録の遅延があったため、研究の進捗が遅れ、研究費の繰り越しがあった。次年度は症例収集をさらに積極的に行い、遅れを取り戻す予定である。
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