2023 Fiscal Year Research-status Report
Characterization of neovascular cells in pannus leads to novel therapeutic strategies for rheumatoid arthritis.
Project/Area Number |
23K07879
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
三浦 陽子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (60563517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 智 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90347401)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 新生血管 / シングルセル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチでみられるパンヌスの新生血管の発生は、疾患の長期化への関与が示唆される。免疫抑制とは異なる新たな治療ターゲットとなり得るが、疾患部位に特異的な細胞集団の特徴に関しての不明点が多い。これまで我々は、関節炎モデルを用いたパンヌス由来滑膜細胞の解析により、特徴的な新生血管細胞集団が存在することを見出した。この新生血管細胞は複数の細胞集団で構成されると示唆されたため、本研究では、①新たに同定した新生血管細胞は複数の細胞集団からなるのか否か、その特徴は何か、②どの細胞集団が関節リウマチにおける新生血管の治療ターゲットとなり得るかを探索する。本研究により、関節リウマチ疾患の長期化防止、関節病変部に対する栄養や酸素供給を遮断し、新生血管阻害が有効な治療ターゲットとなり得ることを見出す。 D1BCマウスに低用量のType II Collagenを免疫し、関節炎を誘導した。関節炎のパンヌスより滑膜細胞を無菌的に単離および、1週間培養した。組織学的な検討において、パンヌスの滑膜細胞は幹細胞マーカーを発現することを見出している。そこで、幹細胞マーカービーズを用いて幹細胞陽性集団を単離し、それらの細胞を用いてsingle cell RNA sequencing (scRNAseq)を行った。Seurat解析により、滑膜細胞集団には1種類の血管内皮細胞、11種類のマクロファージ集団、13種類の線維芽細胞集団が存在した。線維芽細胞集団のうち、4種類は血管内皮細胞の特徴も有することが明らかとなった。現在、得られたデータをもとに、既存のリウマチ患者由来パンヌスのscRNAseqデータと併せて解析を進めており、得られたデータから患者のパンヌス内にマウスで得られた同様の血管内皮細胞は存在するかを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の試験では、関節炎モデル由来のパンヌスに含まれる滑膜細胞集団のscRNAseqを行った。これまでのパンヌス由来滑膜線維芽細胞のFlow cytometry等を用いた検討において、解析のターゲットとしている細胞はマイナー集団であることが明らかになっている。そのため、ある程度ターゲットを濃縮してscRNAseqを行う必要があると考えられたため、幹細胞マーカービーズを用いて濃縮し、BD Rhapsody シングルセル解析システムを用いて細胞を単離し、解析を行った。 Seurat解析により、滑膜細胞集団には1種類の血管内皮細胞、11種類のマクロファージ集団、13種類の線維芽細胞集団が存在した。線維芽細胞集団のうち、4種類は血管内皮細胞の特徴も有することが明らかとなった。現在、本試験で得られたデータおよび、既存のリウマチ患者由来パンヌスのscRNAseqデータと併せることで患者のパンヌス内に同様の血管内皮細胞は存在するか検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、関節炎のパンヌスにおける新生血管の同定および、治療ターゲットの探索を目的とし、検討を進めている。2023年度の検討では、関節炎モデルよりパンヌスの細胞集団を単離し、シングルセル解析を行った。パンヌスの中には血管内皮細胞、線維芽細胞、マクロファージ集団で構成され、線維芽細胞集団の中には血管内皮細胞の特徴を示す細胞集団も存在することを見出した。現在、本試験で得られたデータおよび、既存のリウマチ患者由来パンヌスのscRNAseqデータと併せることで患者のパンヌス内に同様の血管内皮細胞は存在するか検討を進めている。
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Causes of Carryover |
当該年度の実験状況により繰越額が乗じた。繰越額は次年度に繰り越しして消耗品、試薬費等として充てる予定である。
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