2023 Fiscal Year Research-status Report
抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の病態形成におけるI型インターフェロンの役割と産生機構
Project/Area Number |
23K07891
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩本 太郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (80835083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 有史 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (90436353)
鈴木 浩太郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (90554634)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎 / 間質性肺炎 / Ⅰ型インターフェロン / B細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎(MDA5-DM)は、dsRNAウイルスの細胞内センサーであるMDA5に対する自己抗体の出現を特徴とする炎症性筋疾患である。他の皮膚筋炎とは異なり、筋力低下は軽微だが急速進行性間質性肺炎(RP-ILD)を高率に発症するため、予後不良な疾患である。MDA5-DMの予後改善にはこのRP-ILDに進展しうる症例を早期の段階で峻別する必要があるが、RP-ILDの重症化を予測する感度・特異度に優れたバイオマーカーは現在まで存在しない。我々は予備実験でMDA5-DM患者では血清I型インターフェロン(IFN)値が極めて高値であることを見出し、RP-ILDへの進展及び予後予測のバイオマーカーとしての可能性に着目した。 本年は我々のMDA5-DM患者コホートを用い、血清IFN値とMDA5-DMの重症度、RP-ILDへの進展、治療反応性などとの関連に関して解析を行い、その成果は2024年6月に開催される欧州リウマチ学会にて発表の予定である。抗MDA5抗体によるMDA5活性化及びIFN活性化機構解明のための基礎実験は現在セットアップ中である。引き続きMDA5-DMの病態形成におけるIFNの役割と産生機構に関する知見を集積していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抗MDA5抗体によるIFN産生機構及びMDA5抗原認識部位の解析に関して、MDA5-DM患者血清や末梢血単核球、セルライン等を用いたセットアップ実験を行っているが、実験系の確立に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、MDA5-DM患者における血清IFN値とMDA5-DMの重症度、治療反応性との関連に関して解析を行った。引き続きMDA5-DMの病態形成におけるIFNの役割と産生機構に関し、基礎実験のセットアップを続け、IFN-MDA5経路による炎症性サイトカイン活性化機構の検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度予定していた抗MDA5 抗体によるMDA5活性化及びIFN活性化機構の解析のための実験のセットアップに難渋しており、850,121円の次年度使用額が発生した。これらは来年度分で行う当該実験の費用に当てる予定である。
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