2023 Fiscal Year Research-status Report
一次繊毛KIF7分子の関節炎への役割の検討と治療への応用
Project/Area Number |
23K07901
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
井田 弘明 久留米大学, 医学部, 教授 (60363496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 知之 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00454421)
山崎 聡士 広島大学, 病院(医), 研究員 (30367388)
西小森 隆太 久留米大学, 医学部, 教授 (70359800)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | KIF7 / CLM-3 / 関節炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
KIF7分子は、Kinesin familyに属する一次繊毛を構成するタンパク質である。一次繊毛は、細胞形態維持、運動、物質輸送、細胞分裂に関与し、細胞骨格を制御するactin filament、 microtubeなどの構造タンパクと、これらのタンパク質を動かすkinesin、dyneinなどのモータータンパク質がその機能を発揮する場である。KIF7 遺伝子変異によって一次繊毛の構造は破綻するため、KIF7分子はその恒常性維持に重要であると考えられる。KIF7 遺伝子のヒトでの変異は、Acrocallosal、Joubert、Bardet-Biedl、Pallister-Hall、Meckelなどの症候群を引き起こす。これらの症候群では骨格や神経の異常が特徴的であり、ciliopathy (繊毛病)と呼ばれているが、これまで関節炎などの慢性炎症に関係しているという報告はなく、その点を証明することが本研究の目的である。 『PAB症候群の関節炎は、KIF7分子機能低下でCLM-3分子発現が増強、感染によるTLR9刺激下で関節炎が生じた』の仮説のもと、研究を進めている。 今年度は、1)細胞株を使用したin vitroの実験と2)KIF7ノックインマウスの実験を行った。 1) KIF7 cDNAを作成した。エレクトロポレーション(NEPAGENE)を使用して細胞株U2OS細胞へKIF7 cDNA遺伝子導入後、CLM-3 mRNA発現変化をRT-PCRで確認したが、CLM-3発現変化は確認出来なかった。条件設定時、KIF7発現がノックアウトされたことは、RT-PCRで確認した。 2) 継代を行っているKIF7ノックインマウスと正常マウス間で症状や成長に差は見られなかった。KIF7ノックインマウスから胎児線維芽細胞(MEF)を樹立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞株の実験が進んでいない。条件設定に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
条件設定を変え、CLM-3分子発現変化を再確認する。 KIF7ノックインマウスから得られたMEFを使い、正常マウスからのMEFとの比較でRNAシークエンスを行う。
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Causes of Carryover |
細胞株の実験の条件設定に時間がかかり実験が進まず、予定していた消耗品購入を見合わせたことから今年度予定の助成金が余った。来年度は条件設定を進め、今年度購入予定であった消耗品も含めて購入する予定である。
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Research Products
(1 results)