2023 Fiscal Year Research-status Report
The pathogenesis of Sjogren syndrome focused on cell-cell interactions
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23K07904
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浅島 弘充 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50708485)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / 細胞間相互作用 / 単一細胞 / 自己免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
未治療である一次性SS患者4例を対象とし、口唇小唾液腺を採取後コラゲナーゼ処理を行い、細胞懸濁液を準備した。10x genomics社のChromium Next GEM シングルセル 5' キットv2 for Dual indexのキットを用いてscRNA-seqを行った。NovaSeqにてシークエンスを行い、Seuratのソフトウェアを用いてクオリティチェック、データ統合および解析を行った。各クラスターの遺伝子発現を評価すると共に、特にT細胞およびB細胞に着目して解析を行った。 (1)4検体のデータ統合を行い、クオリティチェック後SS患者の口唇小唾液腺より合計7232細胞を抽出した。遺伝子発現により合計10個のクラスターが検出された(T細胞、B細胞、周皮細胞、ケラチノサイト、線維芽細胞、内皮細胞、腺房細胞)。腺房細胞(Seromucous acinar cells; SMAC)は遺伝子発現の違いにより更に4つに分類された。4検体において検体毎の細胞分布に大きな違いは認めず、腺房細胞が半分近くを占めていた。 (2)腺房細胞は4クラスターに分類され、SMAC_2はAQP5の発現が低い一方でZG16B発現が高かった。また、SMAC_3に関しては,MUC5B発現が高く、より分化した粘液産生細胞であることが確認された。興味深いことに,SMAC_1およびSMAC_4に関しては、RUNX2やEGFRなどの発現が高かった。 (3)細胞間コミュニケーションの解析を行ったところT-B細胞間だけでなく、他のT細胞-非免疫細胞間の相互シグナルも認められ、ダイナミックな細胞間コミュニケーションによる病態形成が示唆された。 現在、本サンプルのTCR-seq(T細胞受容体シークエンス)を行うと共に、小唾液腺のSpatial Transcriptomics(空間トランスクリプトーム解析)の解析に向けて準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
未治療SS患者4人より口唇小唾液腺を取得し、scRNA-seqを行い、データ取得することができた。現在、Seuratのソフトウェアでデータ解析を行っており、SMACやB細胞、T細胞などを同定できている。またSMACにも遺伝子発現の異なる細胞集団があることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、scRNA-seqを行った患者の病理切片を凍結保存しており、今後空間情報の解析に回す予定である。依然病変局所より取得した細胞数が少なく、今後さらに検体数を増やして、T細胞-B細胞の相互作用シグナルの解析を詳細に行う予定である。
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