2023 Fiscal Year Research-status Report
胚中心応答の制御による全身性エリテマトーデスの新規治療法の創出
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23K07905
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂本 明美 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 准教授 (90359597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 理紗 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教 (30376363)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 転写因子Bcl6 / 胚中心応答 / 自己免疫疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
獲得免疫で誘導される胚中心応答は全身性エリテマトーデス(SLE)の病態形成に重要である。転写因子Bcl6はこの胚中心の分化・形成の要となる分子である。しかしながら胚中心の維持にもBcl6が機能するかは明らかになっていない。本年度はBcl6が胚中心の反応維持に係るかを中心に解析した。タモキシフェン(TMX)投与によりBcl6欠損を誘導できるマウス(Bcl6flox Ert2Cre)を用 いて、胚中心が形成されたのちにTMX 投与を行いBcl6の遺伝子を欠損させて、胚中心の維持や長期の免疫応答へのBcl6の関与を検証した。その結果、Bcl6を欠損させると胚中心が急速に消失したが、胚中心を介して産生される抗原高親和性の抗体はほぼ同じように二次応答でも検出された。一方で二次応答時の記憶B細胞の減少、三次応答での高親和性抗体の減少が認められた。このことから、Bcl6は胚中心維持、記憶B細胞の分化・維持に必要であることが明らかになった。さらにこの分子機構を解析したところ、Bcl6を欠損させた胚中心B 細胞は細胞死を起こし、セントロブラストという特に増殖能の高い細胞群が減少していた。この時にBaxのタンパク質が高発現しており、Baxの機能を阻害することで胚中心の細胞死の割合が減少したことからBcl6はBaxの発現を調整することで胚中心B細胞の維持をしていることが明らかになった。 また、Bcl6を欠損させるとB細胞において転写因子Blimp1の発現が増強した。このことはBcl6を欠損させたB細胞が抗体産生をする形質細胞に分化しやすいことを示している。Bcl6はBlimp1の発現を抑えることでも胚中心細胞の増殖維持を行っていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胚中心応答におけるBcl6の役割の解明の目的で胚中心B細胞におけるBcl6の機能解析を行った。さらに濾胞ヘルパーT細胞(Tfh) の分化機構の解明とBcl6 の関与を解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
Bcl6欠損マウスではSLEが発症しないことが明らかにされているが、すでにSLEを発症 したマウスにおけるBcl6欠損の効果は明らかにされていない。SLEのモデルに関しては、 DNAとCFAとを免疫することでC57BL/6マウスで病態が誘導できる報告がある。このSLEのモデ ルをBcl6遺伝子 改変マウスに応用することで、治療法の検証を行う。 また、自己免疫疾患モデルである多発性硬化症モデルにおいてもBcl6欠損の発症、症状改善の効果を確認し、自己免疫疾患病態へのBcl6関与機構に普遍性があるかを確認する。 さらに疾患発症の応答に重要な胚中心T細胞の分化機構を解析する。
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Causes of Carryover |
本年度から本学での実験動物維持管理費の体制が変わる予定であり、年度末まで経費が明らかではなかったため、研究費の使用を制限した。 次年度は動物管理費に多くの費用がかかると見込まれる。
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