2023 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム解析による非結核性抗酸菌の高精度迅速同定および薬剤感受性判定システムの開発
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23K07925
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金城 武士 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90724211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍋谷 大二郎 琉球大学, 病院, 医員 (20870679)
松本 悠希 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教(常勤) (30749114)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ゲノム解析 / アブセッサス / 亜種同定 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までに、沖縄県内患者から分離されたアブセッサスの臨床分離株54株の解析が終了しており、28株はMycobacterium abscessus subsp. abscessus、26株はMycobacterium abscessus subsp. massilienseと同定でき、この結果は全ゲノム解析ベースの同定結果と完全に一致していた。また、問題となっていたMLSTスコアに関しては、41株が最大値の「1」で、その他の株に関してもスコアが0.88~0.98と、高精度な同定ができていた。
ゲノム解析に基づく薬剤耐性予測の検討に関してであるが、マクロライド耐性はrrl遺伝子(代表的なものとして「A2058」と「A2059」の2つを検査対象とした)とerm41遺伝子(T28C, trancation)の変異を基に、また、アミカシン耐性はrrs遺伝子(代表的なものとして「A1408」、「C1409」、「T1498」の3つを検査対象とした)の変異を基に薬剤耐性を推測するシステムを構築した。その結果、Mycobacterium abscessus subsp. abscessusのクラリスロマイシン、アミカシンそれぞれの微量液体希釈法との結果一致率は、96.3%、100%であった。また、Mycobacterium abscessus subsp. massilienseのクラリスロマイシン、アミカシンそれぞれの微量液体希釈法との結果一致率は両者とも100%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アブセッサス臨床分離株54株の亜種同定と薬剤耐性予測の検討を予定通り順調に進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね予定通りに研究を遂行できている。薬剤耐性予測システムの開発に関しては、薬剤耐性株の収集が課題である。
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Causes of Carryover |
次世代シークエンサーおよび関連試薬購入のための支出が予定よりも少なくなり、次年度に繰り越すこととなった。次年度は解析件数が増加する見込みであり、次年度への繰り越し分は次世代シークエンサーおよび関連試薬の購入にあてる予定である。
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Research Products
(3 results)