2023 Fiscal Year Research-status Report
TNFAIP3遺伝子バリアントを導入した1型糖尿病疾患特異的モデル細胞の構築
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23K07987
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
堀 友博 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90456525)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | TNFAIP3遺伝子 / 1型糖尿病 / A20 / A20ハプロ不全症 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の実績として、元来内因性にA20タンパク発現のあるHEK293細胞系統の培養細胞を用い、CRISPR-Cas9を利用してTNFAIP3遺伝子をノックアウトしたHEK293細胞を樹立した。この細胞を用いて、1型糖尿病と関連があるとされるTNFAIP3遺伝子の一塩基多型/変異を一過性形質転換することで、「TNFAIP3遺伝子の1型糖尿病疾患感受性一塩基多型や遺伝子変異を有する細胞」をin vitro発現系で構築することを目指し実験を進めている。並行して、ラット膵β細胞株であるINS-1E細胞についてもTNFAIP3遺伝子をノックアウトした細胞株の作成を進めている。さらに、各細胞株に、① TNF-α等の各種リガンドで刺激する、② MyD88 L265P(Toll様受容体及びIL-1受容体からのシグナル経路における中間分子の変異体)を共発現させる、③ CARD11 F130V(B細胞受容体及びT細胞受容体からのシグナル経路におけるスキャフォールドタンパクの変異体)を共発現させる、④糖負荷、などの方法により刺激を加えたうえで、NF-κB転写活性をデュアルルシフェラーゼレポータージーンアッセイ法で測定する実験系の予備実験を進めている。上記の研究については、結果を得るための実験系のストラテジーが確立できつつある。令和6年中に有意な結果が得られるよう実験を進めている。 また、マルチオミックス解析による発現プロファイル測定についても並行して実験系の確立を目指した予備実験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TNFAIP3遺伝子の1型糖尿病疾患感受性一塩基多型や遺伝子変異を有する細胞の構築と、それを用いたNF-κB転写活性測定の実験系について、結果を得るための実験系のストラテジーが確立できつつある。令和6年中に有意な結果が得られるよう実験を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
TNFAIP3遺伝子の1型糖尿病疾患感受性一塩基多型や遺伝子変異を有する細胞の構築と、それを用いたNF-κB転写活性測定について、構築する細胞の候補を増やして実験を進める。 マルチオミックス解析による発現プロファイル測定についても並行して実験系の確立を目指した予備実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
主な理由として、令和5年度はもともと当研究室で実施していた研究の実験ストレテジーを応用した研究が主であったため、本研究における各試薬の新規購入代金の総額が想定より安価に実験を遂行できた。また、人件費・謝金が発生する研究が予定より予算を使用せず遂行できた。ただし、令和6年度以降にin vitro実験系のため引き続き多くの研究の実施が必要な予定であり、特にDNA解析試薬・細胞培養試薬・トランスフェクション試薬・ルシフェラーゼアッセイ試薬など多額の試薬購入が必要で、今後の実験計画が当初の年度毎の予算計画の額では不足する見込みであるため、次年度使用額として計上した。
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