2023 Fiscal Year Research-status Report
脳KATPチャネル活性による認知症病態機序の解明と治療への応用
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23K08012
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
下村 健寿 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90636226)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | KATPチャネル / インスリン分泌 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年においてはSU剤ならびにグリニド剤以外のKATPチャネルの活性に影響を与える可能性ある薬剤について電気生理学的に検討を行った。その結果、構造上影響を与えることが推測されたSulfamethoxazoleにおけるKATPチャネル閉鎖作用を確認した。同様にチャネル活性に影響を及ぼすことが推定されたPemafibrateに関してはKATPチャネル活性に影響を与えないことが明らかとなった。またKATPチャネルが細胞におけるシグナル伝達系にあたえる影響を調べるために、KATPチャネルを構成するサブユニットであるKir6.2がノックアウトされているマウスを用いて、RNAシークエンシングを行い、大きく変動している要素を二つに絞りこむことに成功し、そのうちの一つが神経由来であることを発見した。さらにKATPチャネルが顕著に開口することが予想されるモデルマウス(Kir6.2-V59Mマウス)を、コロナ禍において入手に予定より時間がかかったが、英国オックスフォード大学から入手することに成功した。現在本学で脳において特異的V59M変異を有するKATPチャネルを発現するマウスを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響で当初予定していたトランスジェニックマウス(V59Mマウス)の英国オックスフォード大学からの入手に時間がかかってしまったが、その間にKATPチャネルノックアウトマウス(Kir6.2KOマウス)を用いて、V59Mマウス入手後に認知症との関連を調べるうえでのターゲットとなる要因について絞り込むことができた。また当初より時間がかかったが、コロナ禍の環境下で研究実施計画に記載したKir6.2-V59Mマウスの入手にも成功し、順調に研究が進行していることから「おおむね順当に研究は進展している」と考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
V59Mマウスの入手に成功したことから、速やかに脳に特異的Kir6.2-V59Mが発現したマウスを調整し、電気生理学的検討、行動解析などを行い、極端にKATPチャネルが脳において開口していた場合の行動と電気生理学的変化を正確に測定するとともに、脳における情報伝達の異常の機序についてRNAシークエンシングなどを含めて検討し、今まで得たKir6.2-KOマウスとの比較を行う。この検討により認知症との関連因子を特定し、さらには治療標的としての可能性を考察する。そのうえで2型糖尿病との関連(KATPチャネルを構成するKir6.2のE23K遺伝子多型を含めて)を詳細に検討する。
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