2023 Fiscal Year Research-status Report
Pathophysiological analysis of the beta cell volume change elicited by pregnancy and gestational diabetes mellitus in Japanese pregnant women
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23K08020
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
若狹 朋子 近畿大学, 奈良病院, 教授 (70281269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 浩哉 弘前大学, 医学研究科, 教授 (00374819)
佐々木 崇矩 弘前大学, 医学研究科, 助手 (50858173)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 妊娠糖尿病 / 妊娠 / 糖尿病 / 病理解剖 / インスリン / ソマトスタチン / アミロイド / ランゲルハンス島 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで収集した、妊娠中、あるいは産褥1年未満に死亡した病理解剖症例についてデータベースを構築した。臨床情報、肉眼写真をデジタル化し、さらに匿名化を行った。臨床情報については、いずれの症例も通常の妊婦健診を受診していたことが確認された。非妊時体重、死亡直前の体重、尿糖についてのデータは全例について収集できたが、ヘモグロビンA1cなどの糖尿病に特化した検査項目については、全国的にも妊婦健診の期間中、ほとんど行われていないことが分かった。 全国30施設から妊娠35週未満の妊産婦死亡症例の病理解剖例を収集した。それぞれの症例のパラフィン包埋切片と臨床情報を収集し、弘前大学分子病態病理学講座において、インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、PP等のホルモンの発現、エストロゲン、プロゲステロン受容体、セロトニン受容体について免疫染色を行い、膵島新生、増殖能、分化転換の有無について検討した。さらに、膵島アミロイド沈着の有無及び沈着量を計測した。ランゲルハンス島における各種内分泌細胞の量を各症例について計測した。対象群として同年代の女性の膵臓の検体を弘前大学病理学教室の過去の病理解剖症例より抽出し、同様の免疫染色を行い、同様の項目について計測した。 2023年11月10日に久留米市において第15回妊産婦死亡症例病理検討会を開催し、分担研究者に加えて、大阪公立大学医学部付属病院病理診断科の加藤雅大先生、宮崎大学医学部病理学講座構造機能病態学分野 山下篤先生、トヨタ記念病院病理診断科 島寛太先生を招聘して病理解剖症例の検討を行った。今回、満期産の妊娠糖尿病症例についてランゲルハンス島の変化を検討した。 これらの結果は、2025年の日本病理学会などで発表の予定である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体の収集は順調に進んでいる。 それぞれの症例について免疫染色もほぼ終了した。 1回目の測定、および解析が終了し、妊娠経過に沿ってその変化を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
膵臓ランゲルハンス島の細胞は、1つの細胞から2種類以上のホルモン活性物質を分泌する可能性が示唆されている。このため、同一の標本で2種類、3種類のホルモン活性物質を染色しランゲルハンス島の中でのホルモン産生の局在を詳細に検討する予定である。 また、妊娠経過に従ってランゲルハンス島が新生されていく過程が観察されているので、ランゲルハンス島の新生に係る増殖因子について検討を進める予定である。 これまでにまとめた結果を、日本内分泌学会、日本病理学会、日本産科婦人科学会への発表する。 さらに結果をまとめた英文論文を作成し投稿する予定である。 今後、膵臓以外の臓器、例えば、肝臓、副腎、腎臓、心臓などについてそれぞれ妊娠における臓器の変化を重量や形態学的変化を含め、検討し、まずは正常妊娠における変化について検討する。
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Causes of Carryover |
2023年度に行った実験は、主に弘前大学で保有していた試薬を用いて実施した。 2024年度は多重免疫染色法を用いて、さらなる検索を行う予定である。 このための試薬、消耗品の購入のために、次年度使用額と、2024年度に請求した助成金を合わせて、使用する予定である。
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Research Products
(31 results)