2023 Fiscal Year Research-status Report
増殖因子の徐放化と生分解性鋳型を用いた同所性生体内組織形成術による一期的食道再生
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23K08044
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 啓介 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (50724887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古村 眞 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (10422289)
川島 祐介 公益財団法人かずさDNA研究所, ゲノム事業推進部, ユニット長 (30588124)
田畑 泰彦 京都大学, 医生物学研究所, 教授 (50211371)
藤代 準 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60528438)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 再生医療 / 食道再生 / orthotopic iBTA / biosheet / ゼラチン |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内組織形成術(iBTA) は非吸収性の鋳型を生体内に埋入し周囲に再生医療の材料となる線維性組織体を作成する技術であり、作成したbiosheet/biotubeを臓器欠損に移植すると臓器に応じた組織再生が生じる。我々はiBTAを改良し、再生が必要な部位に鋳型を直接埋入することにより一期的な臓器再生を行う同所性iBTA (orthotopic iBTA) を報告した。本研究ではさらに、ゼラチンシートを用いて回収の必要がない生分解性の鋳型を作成し、orthotopiciBTAによる完全な一期的食道再生を行うことを目的とする。さらに、ゼラチンの薬剤徐放作用を応用して細胞増殖因子を鋳型周囲に添加することで筋組織の再生を促進し、long-gap型の先天性食道閉鎖症に対して食道再生による一期的な根治術を開発することを目指す。 2023年度はゼラチンで作成した生分解性の鋳型によりbiosheetが作成できることを確認した。マウスの背部皮下にゼラチンを材料とする鋳型を埋入すると、1週間後には鋳型は完全には分解されておらず、周囲に線維性の被膜が形成されていた。このbiosheetを摘出して細胞を単離してフローサイトメトリー解析を行い、従来の非吸収性の鋳型により作成したbiosheetと同様の細胞集団が存在することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、生分解性の鋳型によりbiosheetが作成できることを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では増殖因子を添加したゼラチンの生分解性の円筒形の鋳型を作成し、食道欠損部に間置して食道再生を誘導することを目的としている。 次年度は円筒形の鋳型を作成し、マウスの食道へ移植し食道の修復が可能かを検討する。さらにこの鋳型にTGFβやIGF-1などの増殖因子を添加して徐放化し、食道組織の再生が誘導されるかを検証する。
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Causes of Carryover |
試薬や手術材料が研究室内の在庫が使用可能であったため、一部次年度使用額が生じた。 次年度は食道手術のために新たに手術器具の購入を予定している他、生分解性の鋳型作成や増殖因子などの試薬の購入に使用する。
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