2023 Fiscal Year Research-status Report
染色体工学技術と次世代シーケンス解析の融合による膵がんの新規がん抑制経路の同定
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23K08112
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
坂野 悠 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (10974058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久郷 裕之 鳥取大学, 医学部, 教授 (40225131)
藤原 義之 鳥取大学, 医学部, 教授 (40314330)
大平 崇人 鳥取大学, 医学部, 助教 (60757665)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | がん抑制遺伝子 / TERT / 膵がん / 染色体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「膵がんにおいて、3p21.3領域上にRAS経路を介した新規hTERT抑制遺伝子が存在する」という分子機構仮説を立てた上で、この仮説の立証を目的とし、極めて予後不良である膵がんにおける新規診断・治療標的の可能性を追求することが目的である。 本年度の成果として、まずマウスの膵癌細胞株であるLTPAに3p21.3領域を搭載した人工染色体(3p21.3-HAC)を導入した。このクローンは正常ヒト3番染色体を導入したクローンと同様にmTert発現抑制効果を有したクローンであることが確認された。このmTert抑制効果を得た人工染色体導入がん細胞株を長期培養することで、mTertの再発現が認められるリバータントクローンを樹立し、RNA-seqによる候補遺伝子の選定を行った。 次世代シーケンサーを用いたRNA-seqにより、細胞内で転写される全てのRNAの発現動態を網羅的に解析した。具体的には、親株のLTPAとmTert抑制効果を有するLTPA 3p21.3-HACの遺伝子発現の差を比較・解析し、mTert発現と逆相関するものを候補遺伝子として抽出した。 さらにそれぞれの候補遺伝子について、mTert抑制効果を有する3p21.3-HACを導入したLTPAに対してsiRNAを用いてノックダウンを行った。これにより候補遺伝子の発現を低下させた際のmTertの再上昇の有無の評価を行った。結果として、候補遺伝子のうち2遺伝子において、発現低下させた際のmTert再上昇を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究実施計画としては、mTert抑制遺伝子の候補遺伝子の絞り込みが課題であったので、現時点での進歩状況としてはおおむね順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針として、親株のLTPAに対して得られた候補遺伝子を過剰発現させた際のmTertの抑制効果を確認する。さらには同様の実験をヒト膵癌細胞株でも行い、同様にhTERTの変化があるかを確認する。 さらには得られたTERT抑制遺伝子について臨床標本を用いた発現強度と生命予後の比較を今後行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初の当該年度の実験計画ではRNA-seqを行うところまでを予定しており予算を組んでいたが、候補遺伝子の抽出およびTERT抑制遺伝子の同定のための実験を当該年度に行うこととなったため、前倒し支払い請求を行った結果、少額の次年度使用額が生じた。 翌年度以降も引き続き当初の申請書通りに研究を進めていく方針であり、もともと請求していた助成金と併せて次年度使用額も使用する予定である。
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