2023 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子プロファイルとctDNAに基づくサブタイプ別膵癌精密医療実装のための探索的研究
Project/Area Number |
23K08158
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
木村 康利 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (80311893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 将史 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00404608)
竹政 伊知朗 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50379252)
村上 武志 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50619830)
久木田 和晴 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60563484)
及能 大輔 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70563485)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 膵癌 / サブタイプ / RNA sequence / ctDNA / 包括的遺伝子プロファイリング |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究 (膵癌特異的ゲノム変異のliquid biopsyによる超早期術後再発診断法の開発; 基盤研究(C)/19K09179)では、患者血液のリキドバイオプシーによる網羅的ctDNA監視の妥当性を検証し(Watanabe K, Kimura Y, et al. Int J Mol Sci. 2022, Watanabe K, Kimura Y, 投稿準備中)、膵癌根治術後転移再発の超早期診断に関する知見を集積した。本研究では、上記コホートを引き継ぎ、1) 診断時生検・切除検体の包括的遺伝子プロファイリングによる膵癌亜型が一次薬物療法選択に資するコンパニオン診断となり得るか? 2) 治療介入後のctDNAはMRDを反映し、分子標的治療法選択のガイド、となり得るかを検証する。 1)19K09179コホート(2019/05~2021/09, 膵癌204例)における臨床情報と遺伝子・ctDNAプロファイリングの突合; 本コホートには、切除・非切除症例が含まれており、非切除症例における診断時生検材料に対するctDNAプロファイル結果の整理、薬物療法種別、治療奏効、根治術後再発、転帰等の臨床情報を固定した。 2)既存コホート(19K09179)の組織遺伝子プロファイルによる膵癌亜型と代替分子マーカー(古典型; GATA6/基底型; CK5, 17)の一致率の検証;上記1)での報告通り、RNA sequencingのサンプル数と予算を含めた条件検討中である。一方、GATA6免疫染色については、パイロットサンプルに対して実施し、良好な結果を得た。 3)新規膵癌症例の前向き観察研究コホート;先行の19K09179コホートに加え、ctDNA、MRD、RNA sequencingによる膵癌亜型と膵癌再発・増悪等のイベントを登録すべく、臨床研究の立案中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記で述べたとおり、概ね計画通りの進捗である。RNA sequenceのコストが高額なことから、サンプルサイズの調整にやや時間を要しておる。しかし、これもパイロットサンプルを選定し実施調整済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
19K09179コホートの組織遺伝子プロファイルによる膵癌亜型と代替分子マーカー(古典型; GATA6/基底型; CK5, 17)の一致率の検証;RNA sequencingのサンプル数と予算を含め、実施に向かう。GATA6免疫染色については、パイロットサンプルでの条件にて予定症例の染色と解析を行う。 新規膵癌症例の前向き観察研究コホート;先行の19K09179コホートに加え、ctDNA、MRD、RNA sequencingによる膵癌亜型と膵癌再発・増悪等のイベントを登録すべく、臨床研究を策定、IRB等の事務手続きを完了する。
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Causes of Carryover |
本年度は、1) 19K09179コホートにおける臨床情報と遺伝子・ctDNAプロファイリングの突合と、2) パイロットサンプルの条件検討に費やしたことから支出が予算に対して過小となった。一方、次年度はRNA sequenceに多数のサンプルを予定していることから、前年の経費を消費する予定である。 1) 本コホートには、切除・非切除症例が含まれており、非切除症例における診断時生検材料に対するctDNAプロファイル結果の整理、薬物療法種別、治療奏効、根治術後再発、転帰等の臨床情報を固定した。現状では、生検・切除組織の遺伝子プロファイリングが遅滞しており、その結果、膵癌亜型と客観的奏効(RECIST)の解析に至っていない。一方、MRDとctDNAモニタリングの後方視的分析については、データ固定が終了し、論文化が進んでいる。 2) 既存コホート(19K09179)の組織遺伝子プロファイルによる膵癌亜型と代替分子マーカー(古典型; GATA6/基底型; CK5, 17)の一致率の検証;上記1)での報告通り、RNA sequencingのサンプル数と予算を含めた条件検討中である。一方、GATA6免疫染色については、パイロットサンプルに対して実施し、良好な結果を得た。
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Research Products
(9 results)