2023 Fiscal Year Research-status Report
Tumor microenvironment in colorectal cancer and exploration for therapeutic target
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23K08161
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山下 継史 北里大学, 医学部, 教授 (70406932)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 結腸癌 / 悪性予後 / 癌間質 / 線維芽細胞 / SPARC / INHBA / COL8A1 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは結腸癌の悪性度や予後解析の結果、癌間質マーカー SPARCが臨床的にそれらの表現型と関連することを臨床検体および public database (GSE17538)を用いて明らかにした。また、 publica database (GSE35602)を利用したmicrodissectionおよび microarrayのin silico解析により癌間質評価を行うことで、悪性予後が癌間質特異的遺伝子の発現を反映していることを再現性をもって確認できた。以上から、癌間質マーカーによる悪性度に注目してさらなる解析を行い、癌間質の線維芽細胞 (CAFs)と細胞障害性 T細胞 (CTLs)に関連するマーカーが癌の予後と関連することを明らかにした (2024 Okuno K et al, PLOS One)。これらの研究結果に基づき現在は CAFs markerに注目した癌間質研究を進めている。CAFs関連遺伝子として同定された115個の遺伝子のうち最も強く予後と関連する10遺伝子には collagen family遺伝子や CAVIN3, INHBA, THBS2, SPARCなどが含まれた。これらの遺伝子を KDして癌間質活性の分子機序を解明中である。遺伝子プロファイルの共通性や違いと表現型を比較することで癌転移に関わる遺伝子異常のうち治療標的として最適な遺伝子を同定することが目的である。SPARC knockdown (KD)により collagen familyや THBS2が制御されていることが明らかになり、INHBA KDにより特に COL8A1が低下していることがわかった。面白いことに COL8A1の発現は collagen familyの中で最も強い予後因子であり、結腸癌の新規治療標的であることが強く期待されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
科研費以外の競争的資金(上原財団研究基金)が得られたこと、各外科教室から大学院生が研究参加してくれて精力的に研究に田主されることで研究進捗が加速できた。
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Strategy for Future Research Activity |
重要遺伝子のマイクロアレイのデータ検証がほぼ終了したため今後は線維芽細胞における各遺伝子のKDによる表現型変化の解析に移っていく。表現型と下流遺伝子の関連から重要な標的遺伝子の同定をするメルが、複数の KD siRNAを用いることで Off targetの情報も表現型と遺伝子発現の変化の関連性を見るうえで重要なことが分かってきた。一方、癌間質の詳細な遺伝子発現をより正確に知るために scRNA解析が必要であると感じている。幸いこれまでに多くの scRNAの結果が publicaに利用できる状況になりつつありその解析を行うための整備を進めていきたいと考える。
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