2023 Fiscal Year Research-status Report
Functional analysis of inflammation-inducing bacteria derived form oral microflora and immunoreactive T cells in gastrointestinal cancer
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23K08201
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福田 和正 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50348786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 暁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (00424169)
清島 亮 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10573412)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 口腔内マイクロバイオーム / 消化器癌 / 制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、口腔内マイクロバイオーム由来の炎症誘導性細菌の同定と制御性T細胞(regulatory T cell, Treg)の機能解析を行い消化器癌の進展における関与を解明することを目的とする。 歯周病モデルの作製について、本研究では、C3H/HeNJclおよびDBA/2JJC1実験マウスを用いて縫合糸を用いた歯頸部結紮法により歯周病感染を誘導する実験を行った。歯周病モデルにおける腫瘍の生着と増殖の検証について、歯頸部結紮法により歯周病を誘導したC3H/HeNJclおよびDBA/2JJC1マウスを用いてマウス由来の腫瘍細胞であるLM8およびKLN205をそれぞれ背部皮下に105cells移植を行い腫瘍細胞の生着と増殖の観察を行った。腫瘍細胞の移植4週間後に背部に形成された腫瘍組織の重量を計測した結果、歯周病群において腫瘍形成が亢進している傾向が確認された。 次に、潰瘍性大腸炎関連大腸癌と歯周病の関連については、潰瘍性大腸炎関連大腸癌(UC関連大腸癌)は大腸での炎症を背景として発生する癌である。今回、UCマウスモデルとして良く用いられているデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発性炎症性腸疾患モデルを用いて、歯周病が腸内の炎症に及ぼす影響を検討した。その結果、歯周病を起こしたマウスではDSSによる炎症がより強く起こることが分かった。このことは、歯周病が腸炎を増悪させ、UC関連癌発生リスクを上昇させる可能性を示唆した。今後は炎症を惹起させる原因となっている免疫細胞に着目し、さらなるメカニズム解明に繋げる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
歯周病と炎症に介在している免疫系統の解析準備(サンプリングや試薬の選定)がスケジュール的に遅れているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、歯周病と制御性T細胞をはじめ免疫細胞の動態について解析を進める予定である。また、臨床研究を立ち上げ、臨床検体を用いた解析を実施する。
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Causes of Carryover |
今年度は歯周病による炎症反応が腫瘍の生着や増殖に及ぼす影響についてるデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発性炎症性腸疾患モデルや腫瘍移植モデルを用いて検証を行なってきたが、炎症反応にともなう免疫応答の動態解析については、次年度に繰越となるため、R6年度の使用計画に含める予定である。
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