2023 Fiscal Year Research-status Report
Metachronous synergistic effects of preoperative viral therapy and postoperative adjuvant immunotherapy via long-term antitumor immunity
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23K08213
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
橋本 将志 岡山大学, 大学病院, 助教 (10867477)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ウイルス療法 / 食道癌 / 周術期治療 / 腫瘍溶解アデウイルス / 術前療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「術前ウイルス療法による長期抗腫瘍免疫賦活を介した術後免疫療法効果増強の検討」と題し、術前にウイルス療法を行うことで、術後補助免疫療法の効果が増強するという仮説の下に研究を進めている。 近年、周術期治療,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の重要性が増し,ICI中心の治療があらゆる癌腫で拡がる中で至適な治療の組み合わせや順番については不明な点が多い.食道癌においては術後補助免疫療法のエビデンスを示したCheckMate-577試験の問題点として,海外を中心に展開されたこの試験は術前化学放射線療法後の症例である一方で,現在日本では術前DCF療法が標準である.術前化学療法が化学放射線療法より生命予後を伸ばし,合併症が少ないことから標準になる一方で免疫療法の治療効果を意識した際,術前療法として化学療法のみでよいかという点において疑問が残る.基礎研究のデータからは放射線療法は癌特異抗原の放出を促し免疫を賦活する報告がある一方で線維化などの周囲への影響も大きく,それが合併症や晩期障害につながる可能性があり、その放射線療法の代わりに免疫療法と相性のよいウイルス療法を術前に行ってはどうかという検討である。 これまでの検討でウイルス療法が長期免疫を刺激し、腫瘍免疫が長期に継続することはすでに証明されており、本検討ではその腫瘍に特異的な免疫がある程度の期間を空けても継続することを確認した。現段階では抗PD-1抗体との併用によりその免疫が増強されることを確認予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①腫瘍融解ウイルス療法が放射線療法と比較してより腫瘍特異免疫が形成されることの検証 ②上記免疫が長期間維持されていることの検証 ③マウスモデルにおける術後補助免疫療法の効果の検証 ④化学療法併用下での同効果の検討 ⑤同所モデルでの同効果の検討 と上記のように実験計画をおおむね5段階に分類した①~②の結果が徐々に出ており、現在③~⑤の準備についても進んでいる。3年計画の中の1年目として概ね順調に経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は術前ウイルス療法と抗PD-1抗体との相性をみる実験系を組み立てている。その後可能であれば放射線や抗がん剤との比較も行っていきたい。また長期免疫誘導のメカニズムについても検討できると考えており、あと2年の期間の間に十分検討していきたいと考えている。 具体的にはマウスモデルにおける術後補助免疫療法の効果の検証として、マウス皮下腫瘍モデルにウイルスを投与または放射線照射をした後に腫瘍を切除し,術後ICIを投与しながら切除後に再度腫瘍を投与し,腫瘍がつくかどうかの検証を行う.次に化学療法併用下での同効果の検討としてマウスモデルにおける術後補助免疫療法の効果の検討を消化管癌で広く使用されるFOLFOX療法(5-フルオロウラシル+オキサリプラチン)を加えて行い,同様の有効性と放射線療法に対する優越性について検討する.その後は同所モデルでの同効果の検討を検討している。
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Causes of Carryover |
物品について当初予定より安価に購入することができたため、次年度使用が生じた。次年度実施予定のフローサイトメトリー抗体に使用する予定である。
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