2023 Fiscal Year Research-status Report
消化管癌におけるNrf2に伴うM2腫瘍関連マクロファージの浸潤頻度増加機序の解明
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23K08217
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
松本 拓朗 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40895900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 浩二 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40283204)
伊藤 美郷 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70973014)
三村 耕作 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90568031)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 結腸・直腸癌 / M2腫瘍関連マクロファージ / 酸化ストレス / Nrf2 / HO-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
① TCGA、GSE33113、GSE39582のdatasetを用いて、結腸・直腸癌(CRC)におけるM2-tumor associated macrophage (M2-TAM) signature と HMOX1 (HO-1)、TXNRD1 (TrxR-1)、NQO1 (NQO1)との相関関係について検討した。HMOX1 (HO-1)、TXNRD1 (TrxR-1)、NQO1 (NQO1)は、酸化ストレス関連物質。 ② 当科で切除術を施行したCRC症例(34例)の手術摘出標本(正常粘膜部位と腫瘍辺縁部位)を用いて、M2-TAMにおけるNrf2、HO-1の発現をflow cytometryで検討した。 ③ CRC(34例)の手術切除標本パラフィンブロックから蛍光免疫染色用の連続切片を作成し、CD163(M2-TAM)とNrf2、HO-1の多重免疫染色を行い、M2-TAMにおけるNrf2とHO-1の発現程度を検討した。 ④ 健常人ボランティア(3例)から採取した末梢血単球よりM0/M2 type macrophageを誘導した。誘導したM0/M2 type macrophageにおけるNrf2とHO-1の発現を調べ、各誘導細胞の酸化ストレスへの抵抗性をflow cytometryで比較検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
① TCGA、GSE33113、GSE39582のCRC datasetを用いた全解析で、M2-TAM signature と HMOX1 (HO-1)に正の相関関係を認めた。 ② 34例のCRC検体を用いたflow cytometryの解析でM2-TAMにおいて有意にNrf2とHO-1が発現していることを確認した。 ③ 34例のCRC検体を用いた蛍光免疫染色用で、Nrf2かHO-1を発現しているM2-TAMの頻度が腫瘍組織において有意に高かった。 ④ 誘導したM2 type macrophageにはNrf2とHO-1が発現しており、M2 type macrophageはM0 type macrophageに比べて有意に酸化ストレスへの抵抗性を示した。 ⑤ ①~④の結果を英文論文で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた研究結果(大腸癌におけるM2-TAMの酸化ストレス抵抗性)を国内外の学会で発表する。また、食道癌・胃癌において、同様の解析を進める。 さらに、酸化ストレスに抵抗性を持つM2-TAMの制御方法の開発を検討するべく、in vitroの実験を検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度は、flow cytometry、免疫染色ともに当講座にある抗体などを使用した。 次年度は、食道癌・胃癌症例を対象とした実験において、flow cytometryや免疫染色に用いる物品(各種抗体、消耗品等)やM2マクロファージ誘導に必要な物品(サイトカインや消耗品等)を購入する予定である。また、研究成果を国内外の学会で発表する予定である。
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Research Products
(2 results)