2023 Fiscal Year Research-status Report
Cause analysis of TAPVC generation using whole-genome analysis by next-generation sequencer
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23K08235
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
辻 龍典 岩手医科大学, 医学部, 助教 (10839004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 征太郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10722118)
藤井 泰宏 岡山大学, 大学病院, 助教 (40534673)
清水 秀二 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80443498)
笠原 真悟 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90233692)
小谷 恭弘 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (90534678)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 総肺静脈還流異常症 / 全ゲノム解析 / トリオ解析 / 肺静脈狭窄予防 / 原因遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
総肺静脈還流異常症(TAPVC)は肺静脈が左房に還流せず、共通幹を形成後、上下大静 脈や右房へ還流する先天性心奇形である。新生児期に解剖学的修復術(共通幹と左房の吻合)を行うが、高率に吻合部近くの肺静脈狭窄を発生する。狭窄を発生する患者は、その解除術を受けるが、術後再狭窄が発生した場合は、多くの患者が狭窄解除術を受けても再狭窄を繰り返して死亡する。術後狭窄発生がなければ、正常な循環状態を維持でき、良好な経過を辿ることが多いため、再狭窄を来す患者と来さない患者の予後の格差が非常に大きく、術後肺静脈狭窄予防手段開発が喫緊の課題である。多くの場合は患者遺伝子的要因が吻合部狭窄の主因であると思われ、遺伝子解析、遺伝子発現解析による病態解明が望まれる。我々の研究チームは、複雑心奇形に対し、遺伝子解析、遺伝子発現解析による病態解明研究に取り組んでいる。近年、次世代シークエンサーによる全ゲノム解析技術が急速に発達しており、より高度な遺伝子解析が可能となった。本研究の目的は、TAPVC患者において、次世代シークエンサーを用いたトリオ全ゲノム解析を実施し、TAPVC発生とTAPVC術後肺静脈狭窄の病 因遺伝子を明らかにし、得られた候補遺伝子異常をマウスに導入し、TAPVCが実際に発生することを確認することである。本研究で得られた遺伝子変異の情報は、将来的には別途取得を計画している同患者の肺静脈組織の遺伝子発現解析、プロテオーム解析のData等と合わせ、オミックス解析を行い、肺静脈狭窄予防を目的とした創薬に繋げる予定である。本年度は岡山大学バイオバンク保存検体の確認を行い、倫理委員会に全ゲノム解析の承認を得た。倫理委員会承認取得後同意書修正と公開文書について修正が2回入り、開始が遅れているが、2024年度で検体収集とトリオ解析を3件行うメドがついた。動物実験にうちては準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理委員会承認に予定より時間がかかった。また、承認後同意文書の修正が必要となり、開始が遅れてる。同意書修正は2023年度末に承認を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
該当患者のリストアップは終了。両親の検体を採取してトリオ解析を予定通り行う。
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Causes of Carryover |
倫理委員会承認作業が遅れたため、2023年分の解析を2024年にもちこしとなった。
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