2023 Fiscal Year Research-status Report
22q11.2欠失症候群との網羅的な比較検討によるファロー四徴症での遺伝子異常の解明
Project/Area Number |
23K08237
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鈴木 浩之 岡山大学, 大学病院, 医員 (80969204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 純子 岡山大学, 大学病院, 助教 (60894970)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ファロー四徴症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ファロー四徴症は大動脈騎乗、右室流出路狭窄、心室中隔欠損、右室肥大を呈する最も頻度の高いチアノーゼ性先天性心疾患だが、原因不明で根本的な治療法が確立されておらず、本邦の指定難病とされている。そのため病気のメカニズムに基づく治療法の確立が急がれるが、本疾患の原因遺伝子は同定されておらず、複数遺伝子の変異や発現異常が複雑に関与し形成されると推察されている。ファロー四徴症に合併しうる染色体異常として22q11.2欠失症候群がある。これは22番染色体の微細欠失が原因となり先天性心疾患、精神発達遅延、特徴的顔貌をはじめとした多彩な症状を呈する症候群であるが、欠失する遺伝子と表現型に相関関係を認めず、症状発現には22q11.2領域以外の遺伝子異常の関与が示唆されている。本研究では22q11.2欠失症候群をもつファロー四徴症患者および22q11.2欠失症候群をもたないファロー四徴症患者について、病変の中心である右室流出路心筋の遺伝子変異解析およびsingle cell analysisを中心とした遺伝子解析を行い、異常遺伝子の同定と遺伝子発現および細胞間相互作用を網羅的に検討することで、ファロー四徴症の分子生物学的な病態解明に挑む。 令和5年度は、主に患者検体採取を行った。COVID-19のため対象となる手術患者が減少したことから患者検体採取は困難を極めたが、徐々に手術数が回復しており検体採取可能な状況になりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19のため手術数は減少していたが徐々に回復傾向であり、概ね順調に患者検体を収集できていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
アフターコロナでの手術数の回復に期待しつつ患者検体の収集をすすめ、解析に進みたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19による手術数減少のため検体採取が困難であったこともあり令和5年度は少なめの検体量であったが、今後は回復する見込みである。
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