2023 Fiscal Year Research-status Report
非造影MRIよる先天性心疾患患者のリンパ管の形態評価に関する研究
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23K08241
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
加藤 真理子 昭和大学, 医学部, 助教 (70973139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 伸雄 昭和大学, 医学部, 兼任講師 (30465223)
喜瀬 広亮 昭和大学, 医学部, 准教授 (40436879)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 非造影MRL / リンパ管障害 / 先天性心疾患 / 乳び胸水 / 乳び心嚢液 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年8月から2024年1月に当院でリンパ管障害の精査を行った先天性心疾患患者の合計31人が対象となった。男性が14人(45%)で、全体のうち7人が染色体異常をもっていた。14人が単心室血行動態で17人が2心室血行動態であった。リンパ管障害の検査の適応は、乳び胸が3人(10%)、PLEが4人(13%)、皮膚リンパ漏が1人(3%)、乳び心嚢液が1人(3%)であった。リンパ管障害のリスク評価のために対象となったのが22人で、内9人がフォンタン血行動態、2人がリンパ管障害の既往がある患者、2人がその他(Noonan症候群:1人、右頚静脈閉鎖:1人)、9人が(Glenn手術を含む)開胸術前のリスク評価目的であった。検査モダリティ別では、23人がNC-MRLのみ、1人がシンチ検査のみ、7人がNC-MRLとシンチ検査の両者であった。非造影MRLを撮影したのは30人いた。30人中29人で胸管の走行が評価可能であった。また、胸管と鎖骨下静脈の接合部が確認できた症例は29例いた。7/29人が右静脈角(24%)で、21/29人(72%)で左静脈角が同定できた。1人は両側の静脈角が同定できた。29人中4人で胸管の拡張・蛇行を認めた。Abnormal lymphatic perfusionを15人に認めた。アルゴリズムに則ったリンパ管障害の結果が、治療方針決定に寄与したのは全体のうち10人であった。治療方針決定に寄与した8人中、3人にリンパ管インターベンションが施行された。リンパ管障害のリスク評価目的に検査を施行した22人. うち2人で治療方針に寄与した結果が得られた。1人は無名静脈に対する形成術を施行し、もう一人はフォローアップの方針決定に寄与した。22人中20人は治療方針への影響はなかったが、今後のフォローアップに有益なリンパ管の基本的な情報が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検査目的に沿った内容で検査を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年から8年にかけ、同様の検査の実施を継続していく。結果に基づき、「非造影MRIよる先天性心疾患患者のリンパ管の形態評価に関する研究」としてまとめる。
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Causes of Carryover |
リンパ管MRIの検査費用や、画像評価のソフトウェアの購入金などが生じたが、差額が発生し次年度使用額とした。次年度使用額も、検査費用や、研究環境の整備に充てていく。
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