2023 Fiscal Year Research-status Report
血行再建後内膜肥厚制御を目的とした核酸医薬による新たな治療システム構築
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23K08243
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤木 大輔 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (20464753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 聡一郎 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00376443)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 内膜肥厚 / 炎症制御 / microRNA / ナノベクター / 炎症性腸疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗炎症作用、特に炎症の能動的収束が期待されるmicroRNAとして、文献的考察より、まずは、miR-146a、miR-155、miR-223に絞って検討を行うこととした。とくにmir146aはNF-kB経路の抑制による炎症抑制が他疾患にて報告されているため有望であるが、炎症を惹起した血管構成細胞においてはmiR223についても有用性が示唆されている。miR-155はマクロファージに主として発現しているが、組織修復を修飾する多機能性microRNAである。 miR-146a、miR-155、miR-223は化学的に合成することにより得た。 まずは、microRNAをキャリアのない状態で状態で標的細胞にトランスフェクションさせ、炎症に対する修飾効果を判定することとした。 具体的な方法として、TNF-alpha投与により炎症を惹起した血管平滑筋細胞において、microRNAを投与し炎症性サイトカインであるInterleukin(IL)-1beta, IL-6、ケモカインであるMCP-1(単球走化性促進因子;monocyte chemoattractant protein-1)の発現をRT-PCR法にて測定した。 結果、miR-146aにおいて、IL-1beta, MCP-1 , IL-6の発現抑制効果が大きく、また用量依存性であった。 炎症修飾効果においてmiR-146aがもっとも優れている可能性があると判断された。引きつづき、ほかのin vitroの検討を進めていくことで、治療効果が期待されるmicroRNAの絞り込みを進めていくが、miR-146aは特に有望と考えられる。特に、miR-146aをもとにさらなる検討進めていく方向でデータを収集していくこととなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
この治療システム構築において他の炎症性疾患(炎症性腸疾患など)に対するアプリケーションも考慮しており、核酸の選択に時間を要しているため
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Strategy for Future Research Activity |
In vivoでの検討を念頭に、まずはin vitroのデータ取得を目指す。他の炎症性疾患にも応用可能性の検索も合わせて行う。
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Causes of Carryover |
国際学会での参加及び発表を計画し旅費を計上していたが、国際学会での発表を行うことができなかったことに加え、物品飛を必要とするものを来年度に施行することとなったため
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