2023 Fiscal Year Research-status Report
新規化合物substance Xによる脊髄虚血再灌流時の脊髄保護効果の検討
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23K08274
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
河島 毅之 大分大学, 医学部, 助教 (20791049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 明弘 金沢大学, 先端科学・社会共創推進機構, 特任准教授 (20383755)
徳丸 治 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (40360151)
宮本 伸二 大分大学, 医学部, 教授 (70253797)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 虚血再灌流障害 / 対麻痺 / フリーラジカルスカベンジャー / 活性酸素種 / 虚血性脊髄障害 / Resorcimoline |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はSubstance X [Resorcimoline(RML)と命名]のフリーラジカルスカベンジャーとしての特性を解明するため、合計9種類のラジカル種(酸素中心ラジカル:ヒドロキシルラジカル、スーパーオキサイドアニオン、tert-ブチルペルオキシルラジカル、tert-ブトキシルラジカル、アスコルビン酸ラジカル,一重項酸素、窒素中心ラジカル:一酸化窒素、DPPHラジカル、アミノ酸ラジカル:チロシンラジカル)に対する濃度依存性の消去活性を電子スピン共鳴法にて検証し、全ラジカル種に対して消去活性を示すことを確認し、スーパーオキサイドアニオンに対してはエダラボンと比較して約3倍の反応速度定数を有することを明らかにした。In vivo試験では、ウサギの脊髄虚血モデルにて、虚血再灌流直後のRML投与により、コントロール(生理食塩水)、エダラボンと比較して優れた対麻痺発症の抑制効果を示し、病理組織学的に脊髄虚血に対する神経細胞の保護効果を確認した。加えて、酸化ストレス(DNA酸化損傷)マーカーである8-OHdG染色において、神経細胞保護の機序として、エダラボンより強力な酸化ストレス抑制の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、令和5年度において、RMLのフリーラジカルの消去活性を明らかとするとともに、虚血性脊髄障害に対する対麻痺の予防効果を確認できており、おおむね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでの脊髄虚血モデルのプロトコールを基本として、RMLの投与量・投与時期・投与回数などの投与条件を変化させ、脊髄保護に最も効果的なRMLの至適投与量・投与時期を決定していく。
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Causes of Carryover |
本年度は主に新規化合物の生成に予算を計上し、物品費に関しては他の予算で賄うことができたため、想定以上に予算の使用を抑えることができた。次年度は、ウサギを用いたin vitro試験を継続して行う予定であり、その実験に使用する物品費として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)