2023 Fiscal Year Research-status Report
大動脈解離における内皮バリア機能破綻の意義とFAKの役割解明
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23K08284
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
眞島 涼平 久留米大学, 医学部, 助教 (60811073)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 大動脈解離 / 内皮細胞 / FAK / Iba1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、内皮FAKの機能に着目して大動脈の病態を解明することである。我々は浸透圧ポンプを用いたβ-アミノプロピオニトリル、コラーゲン架橋阻害剤、およびアンジオテンシンII(BAPN+AngII)の持続注入により大動脈解離のマウスモデルを作成した。そして接着斑キナーゼ (Focal adhesion kinase: FAK) が大動脈解離に中心的な役割を持つことを明らかにした。大動脈解離における内皮FAKの役割を解明するにあたり、大動脈解離モデルマウスを用いて内皮細胞の観察を行った。BAPN+AngⅡを用いて解離モデルマウスに解離刺激を与え、小解離を引き起こしたマウスを屠殺し免疫染色で内皮細胞を観察した。細胞マーカーIba1は小解離群、FAK阻害薬(PND1186)投与群共に内皮細胞にて染色された。この事実は解離モデルにおいて内皮細胞にマクロファージが存在することが示唆される。引き続き他の細胞マーカーでの観察を行い大動脈解離と内皮FAKの検証を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大動脈解離モデルを作成し、免疫染色にて大動脈解離におけるマクロファージが内皮細胞に観察された。引き続き他の細胞マーカーによる検証をすでに開始しており、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
解離モデルマウス、FAK阻害薬を用いて大動脈サンプルを採取し、細胞マーカー、炎症シグナル、組織破壊活性、細胞接着因子、酸化ストレスの検証や網羅的解析を行う。 内皮特異的遺伝子操作のため、タモキシフェン誘導性のTie2-Cre/ERT2 マウスを用いる。 解離の経過の中で内皮FAK活性の変化および内皮FAKが制御する解離病態を明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究データ管理目的の機器の購入を検討していたが、現行の機器で対応することでき、購入を見送ったため次年度使用額が生じた。次年度使用額はノックアウトマウスや試薬の購入に充てる予定である。
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