2023 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経系脆弱性と全身麻酔に関連した周術期認知機能障害の神経病理解析
Project/Area Number |
23K08342
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中村 正帆 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (80734318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 雄朗 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (70506633)
長沼 史登 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (80780519)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 周術期認知機能障害 / 全身麻酔薬 / 睡眠障害 / 高齢者 / アルツハイマー病 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は縦断的解析に用いるコホートの準備、モデル動物におけるリスク要因の同定、イメージング技術を用いた時間的空間的変化の観察を実施した。 本研究では高齢や軽度認知機能障害など中枢神経系の脆弱性を背景とした周術期認知機能障害の病態を解析するため、3種のモデルマウスを全実験で用いた: i) 野生型高齢マウス (18-24ヶ月齢)、ii) アルツハイマー病 (AD) モデルマウス (APP-KI. Aβが蓄積する)、iii) 前頭側頭型認知症モデルマウス (rTg4510. タウが蓄積する)。この内、iii) 前頭側頭型認知症モデルマウスは、行動実験での評価が難しかったことと、実施しているイメージング技術を適応できなかったことから、モデルマウスをi) 野生型高齢マウスとii) アルツハイマー病モデルマウスの2種を今後の実験に用いることにした。 アルツハイマー病モデルマウスにおいて、周術期認知機能障害のリスク要因の一つである睡眠障害を、脳波筋電図解析を用いて解析した。その結果、睡眠覚醒量の総和は変化しなかったが、睡眠覚醒サイクルに異常を認めた。これは先行研究とは異なる結果であり、縦断研究におけるリスク要因の評価方法を慎重に検討する必要がある。 イメージング技術として予定していたTHK-565蛍光イメージング(東北医科薬科大学)に加えて、新たに小動物MRI(東北大学大学院医学系研究科、東北大学加齢医学研究所)も利用した。アルツハイマー病モデルマウスにおいてTHK-565の蛍光強度が有意に増加することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コホートを構成するモデル動物の繁殖と維持が順調であり、睡眠覚醒サイクルとイメージングのデータ取得についても問題ない。小動物MRIのデータ解析も順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度、次々年度の認知機能解析に向けて、野生型高齢マウスとアルツハイマー病モデルマウスのコホートを維持する。神経脆弱性を有するモデル動物はストレスに弱いため、コホートを維持し着実にデータを蓄積できるような全身麻酔の曝露量と曝露方法を確立する。MRI解析の結果をどのように縦断研究の解析に活用できるか検証する。
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Causes of Carryover |
本研究では高齢マウスを用いて実験を行うため、初年度である2023年度はモデル動物コホートを作成・維持することが最も重要であった。したがってモデル動物を安楽死して行う病理学的解析などをあまり実施しなかったため、当初計画していた試薬などの実験消耗品の購入量が少なかった。次年度、次々年度以降に12ヶ月齢以上の高齢マウスを用いた病理学的解析を実施する予定であり、この際に必要な試薬などの実験消耗品に使用する計画である。
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Research Products
(4 results)