2023 Fiscal Year Research-status Report
異種輸血が可能となるマウス血小板減少モデルの開発:冷蔵血小板の臨床応用に向けて
Project/Area Number |
23K08346
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
内山 敬太 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10940629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 康太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (70385318)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | マウス大量出血モデル / 血小板 / PAS-PC / 冷蔵血小板 |
Outline of Annual Research Achievements |
血小板製剤は低温保存により容易に凝集するため常温振盪下で保存されるが,常温保存の血小板は細菌汚染を起こしやすく有効期限が4日以内と短い.短い有効期限のため供給が不安定であり緊急時でも入手に時間がかかる点や,期限切れ製剤破棄が生じやすい点が問題であった.PAS(Platelet Additive Solution)溶液の開発により血小板が凝集せずに冷蔵が可能となり,冷蔵血小板の作成および長期保存が可能となった.しかし動物実験で冷蔵血小板の有効性が十分に検証されておらず,本邦において臨床試験の目処が立っていない.臨床応用に向けて,生体での冷蔵血小板の止血能を確認できる動物モデルを開発する必要がある.本研究の目的は急性出血に伴うマウス血小板減少モデルを確立することであり,開発したモデルにより冷蔵血小板の止血効果,生着率などを検証し,日本国内で冷蔵血小板を臨床応用につなげるための研究を行う. 昨年度は野生型のICRマウスを使用し血小板減少モデル開発のための予備実験を中心に行った.体温や血圧など止血に影響する因子をモニタリング下に血小板減少を反映し,出血時間が延長するモデルを安定して作成可能となった.この実験系を重症免疫不全種であるNSGマウスに応用し,同様に血小板減少により出血時間が延長するモデルが確立できた.また,同モデルにヒト冷蔵血小板を投与し溶血反応なく異種輸血が可能である点,止血時間が改善する点を確認した.今年度は確立したマウス血小板減少モデルの精度を高めることに加え,異なる保存期間の冷蔵血小板を投与し,常温保存の血小板と比較して止血時間がどのように変化するかを検証していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り野生型のICRで血小板減少により出血時間が延長するモデルは安定して作成可能となった.免疫不全種であるNSGマウスは野生型に比べ小型であり挿管や動脈圧ライン、中心静脈路の確保といった手技の習熟に時間を要したが器具の改良により作成可能となった.昨年度の目標であった急性出血に伴うマウス血小板減少モデルを確立する点は達成しており実験は順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は実際にヒト冷蔵血小板を投与していき,止血時間がどの程度改善するか,保存期間や保存条件により止血時間にどのような影響があるか,といった視点から臨床応用に有益と思われるデータの蓄積を目標とする.
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