2023 Fiscal Year Research-status Report
Analgesic mechanism of ketamine and its enantiomers in the spinal cord.
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23K08355
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
古谷 健太 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40535176)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ケタミン / 脊髄 / 痛み |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ケタミンの脊髄における鎮痛機序の解明、ケタミンの光学異性体間でのNMDA受容体およびKCNQ2への作用の差の検討、およびR-ketamineの新規抗うつ薬・鎮痛薬としての可能性を示すことを目的とする。 ケタミンの光学異性体は日本国内で試薬の入手が困難であること、自施設で分離するようになるためには、今年度は部署内の人的資源、また時間的資源を考慮すると難しいと判断した。よって、まずは(R,S)ケタミンがシナプス伝達に及ぼす作用をホールセルパッチクランプ記録によって示すこととした。 C57BL/6マウスにウレタン麻酔を行い、脊髄横断スライスを作成した。脊髄第II層ニューロンからホールセルパッチクランプ記録を行った。ケタミンはNMDA起因性電流を抑制したが、臨床使用濃度よりも高い濃度でないとNMDA起因性反応は抑制されない可能性が示唆された。しかし光学異性体を分離し、灌流投与するところ、またKCNQ2チャネル阻害薬・促進薬を用いるところまでは実験が進まなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
・教室内の人手が減少したため、自信が研究活動に割くことのできるエフォートが減少したこと ・上記に関連して、他施設に光学異性体の分離方法を見学に行くことができなかったこと ・大学院生に実験を教え、手伝ってもらう予定であったが、当該陰性が年度半ばに自主都合で中途退学したこと 以上から、研究計画からは大きく遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
・ホールセルパッチクランプ記録、痛みモデルを用いた行動実験を行う: 各種ケタミン、KCNQ2 activator/inhibitorを用いた実験を予定する。 ・必要に応じて、in vivo, in vitroのイメージング法を導入する。 ・ケタミンの光学異性体分離手法を自施設で確立する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、実験に遅れが生じたこと、特に試薬関連の支出が想定を下回ったこと、および基盤研究(C)に追加で独立基盤形成支援の交付があったため、実験環境整備に要する資金をそちらから捻出できたこと(資金力に当初計画よりも余裕が出たこと)が挙げられる。 実験を再開し、計画通りに実験が進めば、動物、試薬、消耗品関連の支出は増加することが予想される。
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