2023 Fiscal Year Research-status Report
Involvement of astrocyte in hippocampal neurogenesis in the neuropathic pain and elucidation of the molecular basis
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23K08370
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤原 淳 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (00773516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 敏明 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (00257841)
上野 健史 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (70782283)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 海馬神経細胞新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳内の神経回路や神経細胞の形態学的・機能的変化が神経障害性疼痛の発現維持に関与しているかを明らかにするために、本年度は神経障害性疼痛モデルマウスを用いて神経障害性疼痛で生じる海馬内の神経細胞新生の形態学的変化の検証に取り組んだ。まず初めに、神経障害性疼痛モデルマウスを作製し、疼痛閾値の変化をvon Freyフィラメントを用いた機械的刺激法により経日的に評価した。その結果、モデル作製後から経日的に処置側の疼痛閾値は低下し、7日目をピークに疼痛閾値の低下は持続した。この経日的な疼痛閾値の変化は、過去に用いられてきた神経障害性疼痛モデルマウスの疼痛閾値の変化と同様であり、確立したモデルとして使用できると考えられる。続いて増殖性細胞の標識となるBrd-Uを用いた評価方法を確立させるために、まずは無処置のマウスの全脳を摘出して海馬内での細胞増殖を免疫組織学的に評価した。その結果、海馬歯状回の顆粒細胞層および顆粒細胞下帯において増殖する細胞が観察できた。胎生期生じる神経細胞新生が生後脳内でも生じているかどうかは明らかになっていないものの、本研究で得られた細胞増殖の検証結果は、成体海馬の歯状回における神経細胞新生を示唆するものであり、これにより神経障害性疼痛モデルマウスにおける細胞増殖との比較検討や神経細胞新生の過程のどの新生段階の細胞増殖に影響を及ぼすかを検討する今後の目標計画を実施することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
神経障害性疼痛モデル作製は予定通り確立させることが可能であったが、増殖性細胞の標識となるBrd-Uを用いた評価方法を確立させることに予想以上に時間を要した。その理由として、Brd-Uの投与のタイミングや投与量が過去の報告で様々であり試行錯誤が必要であったこと、また染色に使用する抗体希釈率の決定や脳切片の作製技術習得が困難であったことが挙げられる。最終的にBrd-Uの投与方法として連日した投与が必要となったことと、それに続く脳切片の染色の一連の研究日程の確保が難しかった。そのためBrd-Uを用いた増殖細胞の染色評価方法を確立した後に今年度に計画していた神経幹細胞、神経前駆細胞、新生ニューロンおよびアストロサイトそれぞれに発現するタンパク質に対する特異抗体(Nestin、DCX、NeuN、GFAP)を用いた評価を行うこととなっていたが、令和5年度に継続更新して行うこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度、まずは本年度に計画していた神経幹細胞、神経前駆細胞、新生ニューロンおよびアストロサイトそれぞれに発現するタンパク質に対する特異抗体(Nestin、DCX、NeuN、GFAP)を用いた評価を行うこととする。この実験により、神経障害性疼痛モデルマウスの海馬内の神経幹細胞のどの分化段階で形態学的に変化を生じているかを明らかにすることができる。この結果をもとに、続いて次年度に計画していた乳酸の投与による神経障害性疼痛モデルの神経細胞新生の形態学的変化を検証する実験を行う。さらには、アストロサイトから神経細胞内への乳酸の取り込みを阻害するために乳酸と同時に乳酸のトランスポーターであるMCT1およびMCT2をAR-C155858で阻害し、同様に海馬内の神経細胞新生の変化の免疫組織学的評価や疼痛閾値の行動学的評価を行う。
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Causes of Carryover |
本年度に計画していた神経幹細胞、神経前駆細胞、新生ニューロンおよびアストロサイトそれぞれに発現するタンパク質に対する特異抗体(Nestin、DCX、NeuN、GFAP)を用いた評価を行う実験ができなかったため、研究代表者及び研究分担者に次年度使用額が生じた。次年度に繰り越された実験計画を遂行するために、次年度の繰越受け入れ額は各種特異抗体などの試薬購入に使用する予定である。
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