2023 Fiscal Year Research-status Report
経鼻インスリン投与の周術期認知機能障害に対する効果とバイオマーカーの検討
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23K08399
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中楯 陽介 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50597002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 麻里子 筑波大学, 附属病院, 病院助教 (90913202)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 経鼻インスリン / 心臓手術 / 人工心肺 / 術後せん妄 / 周術期神経認知機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓手術後の心臓合併症は減少しているが周術期神経認知機能障害(せん妄や認知機能障害)は50%程度の患者におこり生活の質の低下を含む長期予後悪化と関連する。機序としては急性神経炎症が有力となっているが、予防法・治療法は確立されていない。一方、インスリンは抗炎症作用を有し、経鼻投与は認知機能障害を有する患者の認知機能を改善するため、術後認知機能障害の予防または治療として期待される。 実際の心臓手術における有効性やその機序を解明するために、今回、心臓血管手術患者を対象に、経鼻インスリン投与を行い術後せん妄、術後認知機能障害への有効性を明らかにし、バイオマーカ-の開発を行う。 2023年度は心臓手術患者を対象として、臨床研究「心臓外科手術患者に対する 経鼻インスリン投与の術後せん妄予防効果に関する多施設二重盲検化ランダム化比較試験」(Japan Registry of Clinical Trials 臨床研究等提出・公開システム(jRCTs031230047))を開始して、被験者募集、試験薬投与、術後せん妄・認知機能検査を進めている。 本研究で、経鼻インスリン投与の有効性が明らかになれば、実際に心臓手術患者の周術期神経認知機能障害の予防戦略となることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床研究を開始し、2023年7月より被験者募集が進行中でいる。協力施設の変更を行った影響で進行度としては若干の遅れが出ている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、患者組み入れを行う。バイオマーカー検討のための血液検体も同時に採取していく。
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Causes of Carryover |
臨床研究の進行がやや遅れており、その分経費の支出が少なくなっている。 2024年度は研究施設の再構成を行うことにより、患者募集を多くして、後れを取り戻す予定である。研究体制再構成と患者募集遅れ分の経費に使用する予定である。
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