2023 Fiscal Year Research-status Report
化学療法誘発性末梢神経障害に対するマルチモーダル戦略の科学的根拠を明らかにする
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23K08408
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
齊藤 洋司 島根大学, 医学部, 特任教授 (50162243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 龍也 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (00372681)
山本 花子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (00808876)
勝部 由貴子 島根大学, 医学部, 研究員 (20896659)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 化学療法誘発性末梢神経障害 / CIPN |
Outline of Annual Research Achievements |
健常なC57BL/6Jマウス(7~8週齢)を使用し、パクリタキセル4mg/kgまたは8mg/kgを0日目、2日目、4日目、および6日目に腹腔内投与し化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN) モデルを作製した。コントロールとして、パクリタキセルを溶解した溶媒を同様に0日目、2日目、4日目、および6日目に腹腔内投与した。パクリタキセル投与前、投与1、3、5日後、および1、2、3、4週間後に、疼痛関連行動を測定した。疼痛関連行動として、決まった力を与えることができるいくつかのフィラメントをマウスの後肢の足底に垂直に、フィラメントが曲がるまで押しつけて、逃避反応を起こす閾値を測定するvon Frey試験、52℃に熱せられた板の上にマウスを置いて、痛みを感じる行動(後肢をなめたり、飛び上がったりする行動)を起こすまでの時間を測定するHot plate試験および、一定のスピードで回転する丸棒の上にマウスを乗せ、マウスが落下するまでの時間を測定するRota-rod試験を行った。 von Frey試験では、右足においては、パクリタキセル4mg/kg投与群で投与5日後に、パクリタキセル8mg/kg投与群で投与7日後にコントロール群と比較して有意に閾値が低下した。左足においては、パクリタキセル4mg/kg投与群、8mg/kg投与群ともに投与7日後にコントロール群と比較して有意に閾値が低下した。Hot plate試験およびRota-rod試験では、コントロール群と比較して有意な差が認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CIPNモデルの作製に時間を要したため、当初の計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したCIPNモデルマウスに神経障害性疼痛薬としてデュロキセチン、プレガバリン、ミロガバリンならびにオピオイドとしてヒドロモルフォン、オキシコドン、モルヒネを投与し、相互作用を解析する。
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Causes of Carryover |
理由:CIPNモデルの作製に時間を要したため、当初の計画よりやや遅れがでてしまい、神経障害性疼痛薬の投与実験に至らなかった。そのため、今年度の実支出額が予定より少なくなった。 使用計画:実験動物および、神経障害性疼痛薬、オピオイドの購入に使用する。
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