2023 Fiscal Year Research-status Report
一次感覚神経が放出する細胞外小胞を標的とした神経障害性疼痛治療の探索
Project/Area Number |
23K08415
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
鈴木 秀典 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (30221328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 文仁 日本医科大学, 医学部, 准教授 (20360175)
坂井 敦 日本医科大学, 医学部, 講師 (30386156)
丸山 基世 日本医科大学, 医学部, 助教 (60709757)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 一次感覚神経 / 細胞外小胞 / 神経障害性疼痛 / 鎮痛薬 / ヒトiPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞外小胞はほぼ全ての細胞種から放出され、含有するタンパク質やRNAなどを他の細胞へと運搬することなどにより、細胞間での情報伝達を担う役割を有することが明らかにされてきている。一次感覚神経が障害を受けると難治性で慢性の神経障害性疼痛を発症させるが、一次感覚神経から放出される細胞外小胞も他の細胞へと伝わることにより、神経障害性疼痛に寄与している可能性がある。すなわち、細胞外小胞を対象とした神経障害性疼痛のバイオマーカーや治療への活用が期待される。しかしながら、一次感覚神経における細胞外小胞の形成や放出機構に関して、それらの量的および質的な調節がどのようになされているのかは、ほとんど明らかになっていない。従って、本研究では、一次感覚神経が放出する細胞外小胞の含有分子と神経障害に伴うその病的変化を捉えると共に、細胞外小胞が疼痛に影響するメカニズムの解明を試みる。本年度は、一次感覚神経からの細胞外小胞放出を変化させる分子がどのように健常ラットや神経障害性疼痛モデルラットの疼痛行動に影響するのかを、von Frey繊維を用いた機械的刺激およびPlantarテストを用いた熱刺激に対する疼痛反応を調べることによって明らかにした。また、一次感覚神経から放出される細胞外小胞が、一次感覚神経の周囲に存在する様々な細胞種のうち、どのような細胞に影響を与えるのかを蛍光免疫染色などにより解析し、定量的PCR法を用いることで遺伝子発現に与える影響を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、一次感覚神経からの細胞外小胞の放出を制御する分子による疼痛行動や周囲の細胞への影響についての結果が得られたことから、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、細胞外小胞の放出を制御するメカニズムや、疼痛行動との関連を検討していく。
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