2023 Fiscal Year Research-status Report
全国レジストリー研究からみた心原性ショック患者の直近10年間での死亡率の改善と課題
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23K08454
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
田原 良雄 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (70381514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 研 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10305998)
的場 哲哉 九州大学, 大学病院, 講師 (20448426)
山本 剛 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60307949)
池田 隆徳 東邦大学, 医学部, 教授 (80256734)
米本 直裕 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神薬理研究部, 客員研究員 (90435727)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 心原性ショック |
Outline of Annual Research Achievements |
2012年5月1日から2013年4月30日までの期間に日本循環器学会循環器専門医研修施設82施設が参加し心原性ショックを呈する979症例を診療録から後ろ向きに調査しデータベースに登録したJapanese Circulation Society (JCS) Cardiovascular Shock Registryが行われた。この登録システムを利用することで、2022年5月1日から2023年4月30日までの期間に同様の症例集積を行うことで、患者背景、ショックの原疾患の頻度、救急外来での対応、新しい補助循環装置の効果、30日後死亡率など、10年前のレジストリーデータと比較する方針であった。しかし、日本循環器学会が実施する循環器疾患診療実態調査(JROAD)のデータベースを利用することで、参加施設により新たな症例登録を行わずとも調査内容を解析することが可能であることが判明した。そこで我々は、日本循環器学会のJROAD-DPCデータベース利用申請を行い許可された。これにより2012年4月1日から2023年3月31日までの期間の参加施設に入院した心原性ショック症例を解析することが可能となった。現在、データセットを作成中であり、でき次第、解析を開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例集積方法の変更、およびデータ利用申請と倫理委員会からの承認を得るためにデータベースの整理に3ヶ月の遅延を生じているが、論文化を急ぐことでこの遅延が解消される見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究によって、本邦の最近10年間の心原性ショック診療の改善点および今後の課題を明らかにし、JRC蘇生ガイドライン2025にわが国の心原性ショックの死亡率・患者背景・基礎疾患を掲載する。 そのために2025年3月までに論文発表を行う予定である。 さらに、2026年に刊行予定の改訂7版救急蘇生法の指針2025(医療従事者用)に、心原性ショックの治療法の進歩と施設条件による死亡率の相違を掲載し心原性ショック患者に対する救急隊の病院選定を提案する。
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Causes of Carryover |
データベースの確定作業が予定より遅れているため次年度使用が生じた。遅れているデータ解析作業と論文執筆作業を次年度に引き続き実施する費用に充てる予定である。
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