2023 Fiscal Year Research-status Report
ラットを用いた薬物と水素吸入による髄鞘保護を主眼としたCO中毒の新規治療法の確立
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23K08460
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤田 基 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50380001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 貴志 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10560956)
八木 雄史 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (20812910)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 一酸化炭素中毒 / クレマスチン / 脱髄 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、ラットCO中毒モデルにおいてクレマスチンによる脱髄軸索の再ミエリン化効果の解析を行った。 SDラット雄(350-450g)を1000ppmのCOに40分曝露後、3000ppmのCOに20分間曝露し、急性CO中毒を生じさせた。CO曝露終了後および24時間後にクレマスチン 2 mg/kgを腹腔内投与した。またCO曝露終了後から24時間100%酸素投与を行い、曝露終了7日後、14日後にそれぞれ、麻酔後に冷生食及び4%フォルマリン液で潅流固定後、脳組織を取り出し組織観察用の切片を作成した。ミエリン髄鞘のマーカー (MBP、CNPase)を蛍光染色することにより脱髄の評価を行った。 7日後の脳組織において、MBPの蛍光強度はクレマスチン投与群ではコントロール群と比べ、有意差は認めなかった。CNPaseの蛍光強度はクレマスチン投与群ではコントロール群と比べ、低い傾向にあった。14日後の脳組織において、MBPの蛍光強度はクレマスチン投与群ではコントロール群と比べ、低い傾向にあり、CNPaseの蛍光強度はクレマスチン投与群ではコントロール群と比べ、低い傾向にあった。 クレマスチンの単独投与では、脱髄の抑制効果は認められなかった。2024年度は、クレマスチンの投与頻度を上げた場合の効果を解析するとともにクレマスチンと水素ガスとの併用療法の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験計画は順調に進んでいるが、クレマスチン投与による治療効果を明らかにはできていないため、やや遅れていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
クレマスチンの投与頻度を上げた場合の効果を解析するとともにクレマスチンと水素ガスとの併用療法の検討を行う予定である。また、ラットの脱髄に伴う行動評価も行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の実験内容に変更はなかったが、当初予定していた実験試薬の変更により未使用額が生じた。未使用額については、令和6年度の消耗品代に充てる予定である。
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