2023 Fiscal Year Research-status Report
The research of creating an antidote for carbon monoxide poisoning using oxygen-containing ultrafine bubbles
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23K08468
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
守田 誠司 東海大学, 医学部, 教授 (10384926)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ウルトラファインバブル / 一酸化炭素中毒 / 解毒 |
Outline of Annual Research Achievements |
一酸化炭素中毒(CO中毒)は世界的にも患者数・死亡者数が最も多いガス中毒であり、日本における患者数は年間58,000人(死者数4,120人)であり大きな社会問題であるが、後遺症の発症も問題となっている。後遺症の多くは認知・意識障害であるため介護や医療が必要となり、社会的・経済的損失が非常に大きい。近年の報告では、神経後遺症は神経組織内のニューログロビン(NB)にCOが結合し、CO-NBによる神経組織損傷の関連が示唆されている。高気圧酸素治療は組織内酸素分圧の上昇により早期にCO-NBをO2-NBに変化させることが後遺症発症抑制に寄与していると考えられる。これらより、後遺症発生抑制の点からも早期に高気圧酸素治療を実施する必要があるが、人的・施設的問題から日本においても困難な場合が多い現状がある。 一方で、日本発の技術で1μmより小さい気泡(ウルトラファインバブル:UFB)が作成可能となった。これには様々な気体や液体を封入可能で多くの分野で応用が期待されている。酸素を封入した高濃度のUFBを含有した輸液が作成できれば、血液内に投与するだけで血液内や組織内の酸素分圧を一気に上昇させることが可能であり、CO中毒患者に対して後遺症の発症を抑制可能な治療になると考える。 本研究では、生理食塩水に高濃度の酸素封入UFBを発生した輸液を作成し、作成直後と作成1・3・6・12ヶ月後の酸素分圧とUFB濃度を測定し、効果の持続を検討する。また、COに暴露させた採取した血液(健康成人ボランティア)にこの輸液を攪拌し、CO-HbがO2-Hbに変化するかを経時的に検査する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年は、高速旋回液流式法で再灌流可能な機器(NB-1 ver.2.01)を2つ系列に連結して1Lの滅菌生理食塩水に対して純酸素を用いて高O2-UFB生理食塩水を作成を行い、この食塩水をナノ粒子トラッキング(軌跡)解析法で測定した。安定的に1千万個/ul以上の高O2-UFB生理食塩水を作成可能となり、現状は作成直後・1・3・6・12ヶ月のUFB数を経時的に測定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年は、前述した高O2-UFB生理食塩水を経時的に測定することに加えて、採取した血液(健康成人ボランティア)にCOを暴露させたにCO-Hbを作成し、この血液に高O2-UFB生理食塩水を攪拌し、CO-HbがO2-Hbに変化するかを経時的に検査する。
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Causes of Carryover |
2024年に使用する物品購入を2023年度に行う予定でしたが、納入の問題で2024年になったため
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