2023 Fiscal Year Research-status Report
重症熱傷における血管透過性亢進機序の解明-細胞間接着分子クローディンの解析-
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23K08470
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
大石 大 愛知医科大学, 医学部, 助教 (30805362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 栄三 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40375639)
武内 恒成 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90206946)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | クローディン / 盲腸結紮穿孔モデル / 熱傷 / 非感染性炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は、重症熱傷急性期の非感染性の侵襲から血管透過性が亢進する機序を、最も重要なタイトジャンクションの視点から明らかにし、生体侵襲における、クローディンファミリーの解析を行い、熱傷マウスモデルでのバリアー機能の変化を捉えることと、新たなバイオマーカーあるいは新たな治療方針へ今後繋がる研究とすることである。 熱傷マウスモデルでのクローディンの解析に先立ち、当研究室で安定した実験系である、盲腸結紮穿孔(CLP)モデルでのクローディンの解析を開始した。CLPモデルは、結紮位置、穿孔の大きさで侵襲度合いが大きく変化するため、炎症反応や臓器障害の程度をIL-6や腎機能(NGAL:Neutrophil Gelatinase-Associated Lipocalin)を測定し、同程度の侵襲を加える手技を確立した。そのCLPモデルで侵襲を惹起し、特定の組織(心臓、肺、肝臓、腎臓、腸管、皮膚、腹膜)でクローディン遺伝子の発現について解析した。そうすると、侵襲で特定の組織にクローディン遺伝子の発現の上昇を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究事業1年目の状況として順調に進行していると考えられる。理由として盲腸結紮穿孔(CLP)モデルで同程度の侵襲を起こす手技を確立したこと。マウスの組織(心臓、腎臓、肝臓、肺、腸管、皮膚等)からクローディン遺伝子の抽出技術を確立したことがあげられる。 そして、侵襲で特定のクローディン遺伝子の発現が増えることを確認できた。従来、軽微な侵襲ではタイトジャンクションは変化が起きないと考えられていたため、今回の結果は大変インパクトのある結果につながると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
盲腸結紮穿孔(CLP)モデルで特定のクローディン遺伝子の発現が増えることを確認できたが、クローディンのタンパクの発現がどの程度起こるかは、今後の解析により明らかになっていくと思われる。既報では感染性マウスの血清でクローディン検出しているので、今後はCLPモデルでクローディンのタンパクの発現を確認する。そして、熱傷急性期などの非感染性炎症で同様の結果が出るかを確認してゆく。
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Causes of Carryover |
抗体購入が想定以上に多く費用が必要となるため。
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