2023 Fiscal Year Research-status Report
脳波ウェーブレット変換と深層学習による蘇生後脳障害の評価法の開発
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23K08473
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
本田 博之 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (20535174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 慶 新潟大学, 医歯学総合研究科, 教授 (90447970)
松井 亨 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (60753283)
晝間 優隆 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50915048)
八幡 えり佳 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (30622906)
上村 夏生 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00792285)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脳波 / ウェーブレット変換 / 深層学習 / 蘇生後脳症 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)データの抽出:研究対象者19名より脳波データを抽出した。このうち、4名は女性で、11名は院外で発生した心停止症例であった。18名は体温管理療法を導入し、体温は34℃から36℃にコントロールされていた。1か月後の神経学的機能が良好であったものは5名であった。脳波データは自己心拍が再開してから4~12時間後までに記録が開始されていた。72時間後まで記録していたものは15名であった。以上より、予定通り多様な症例から脳波データを記録できていたと考えられる。しかし、症例が19名と少数にとどまっており、今後の課題である。 2)モデルの作成:ウェーブレット変換を行った脳波データを用いて深層学習モデルを作成するのが本研究の最終的な目標である。この深層学習モデルの性能を評価するための比較対象となるモデルを作成する必要がある。本研究では脳波の特徴を示す数値指標(特徴量)として、アルファ波・ベータ波などの脳波の周波数帯域のパワー比、シャノンエントロピーなどを用いる。現在、ロジスティック回帰モデルやランダムフォレストモデルを構築中である。 3)深層学習環境の構築:予定通り、深層学習可能な環境を構築した。GPUはNVIDIA A4000を選択し、MATLAB、Pythonで利用可能にした。これを用い、脳波特徴量を算出するコードを作成した。さらにウェーブレット変換を施し、スカログラム(時間・周波数・振幅情報を図として描画したもの)を出力するコードを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施場所である重症患者管理病床において脳波データを記録可能な病床は12床である。深層学習モデルを作成するためにはより多くのデータが必要だが、現時点で19症例と少ない。そこで、脳波データ記録可能な病床を救急・集中治療病床28床全体に拡充する予定であったが工期が遅れている。また、半導体価格の高騰による深層学習用パソコンの納入が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
脳波データを収集し、深層学習モデルを作成する。しかし、脳波データの不足が問題となっている。脳波データ記録可能な病床を拡充することは決まっているが、工期が遅れている。脳波データが不足する場合は、収集したデータのアップサンプリングなどの数学的な手法で対応を試みる。数学的な手法で対応できない場合に備え、公開されている脳波データセットを入手する。
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Causes of Carryover |
本年度は深層学習用の開発環境を構築することが主目的であった。そのため、高機能のCPUとGPUを搭載したパソコンを購入した。しかし、半導体が品薄状態のため価格が高騰し、当初予定していた機能を実現するためのパソコンを購入できなくなった。そのため、改めて機能の見直しと仕様の策定を行わなくてはならなくなり納期も遅れた。以上の理由のため、価格や機能を含めて予定通りの支出とならず、次年度使用額が生じた。
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