2023 Fiscal Year Research-status Report
ふたつの異なるモデルによるジストニア発症機序と治療ターゲットの解明
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23K08523
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森垣 龍馬 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任准教授 (70710565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 一央 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (70633345)
藤川 丈自 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (70903558)
小田 輝王 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (70911543)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ジストニア / パルブアルブミン陽性介在ニューロン / 線条体 / 動物モデル / 大脳基底核回路 / 小脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
深部小脳核にウアバインを持続投与することで小脳性ジストニアモデルマウスを作成し、免疫組織学的に大脳基底核の各要素の神経細胞の活性化をimmediate early geneの一つであるc-fosを指標として評価した。線条体においては神経細胞の活性化はコントロールと有意差はなかったが、その内容を比較すると、パルブアルブミン陽性介在ニューロンの活性化が有意に上昇しており、中型有棘細胞の活性化は有意に減少していた。興味深いことに、ジストニアにおいて活性化が示唆されているアセチルコリン作動性ニューロンの活性化はまったく認められなかった。ネットワークレベルでの変化を調べるために、解剖学的下流の神経核においての神経細胞の活性化を評価したところ、淡蒼球内節(脚内核)、黒質毛様部や淡蒼球外節の神経細胞活性化が認められた。線条体レベルでパルブアルブミン陽性介在ニューロンの活性化により、直接路、間接路双方が抑制された結果と考えられた。そこで、直接路を活性化するD1アゴニスト、関節路を活性化するD2アンタゴニストを腹腔内投与し、ジストニア症状の変化を観察したところ、有意な改善が得られた。パルブアルブミン陽性介在ニューロンの活性化が一時的なものか、二次的なものかを調べるために、線条体にイムノトキシンでラベルした抗パルブアルブミン抗体を注入したところ、有意なジストニア症状の軽減を得た。これらの結果から小脳性ジストニアモデルにおける線条体のパルブアルブミン陽性介在ニューロンの活性化は病態の主要な原因であると考えられ、治療のターゲットになる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小脳性ジストニアモデルにて、線条体パルブアルブミン陽性介在ニューロンが活性化していることを発見しDisease Model Mechanisms誌に投稿した。もうひとつの前頭葉皮質刺激によるジストニアモデルにつき引き続き研究を行っていくが、現在計画のおおよそ半分の結果が得られており、おおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
前頭葉からの前向性アデノ随伴ウィルス(AAV)を用いたトレーシング実験を継続する。前頭葉皮質から脳線条体ストリオソーム分画に有意に入る部位の同定が証拠強固なものになるように、電気刺激、光遺伝学的手法にて線条体側の反応とジストニア症状につき検討する。その後、小脳性ジストニアで行ったのと同様の免疫組織学的な手法を用いて、いずれの神経核や神経細胞が活性化しているのかをc-fosによる免疫染色で順次検証していく。
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Causes of Carryover |
小脳性ジストニアマウスモデルの実験が順調に運び、必要としていた免疫組織染色用の試薬が本年度では不要で、次年度の実験に使用予定となったため、その分110,225円の次年度使用額が生じた。次年度にて継続する実験で使用する免疫組織染色用試薬代金として翌年度分として請求した研究費と合わせて使用する予定である。
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Research Products
(2 results)