2023 Fiscal Year Research-status Report
患者由来iPS細胞を用いた孤発性神経線維腫症Ⅱ型の病態解明とmiRNA治療の開発
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23K08534
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Research Institution | Hiroshima Cosmopolitan University |
Principal Investigator |
猪村 剛史 広島都市学園大学, 健康科学部, 講師(移行) (80760016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光原 崇文 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (80571801)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 神経線維腫症Ⅱ型 / マイクロRNA / 患者由来iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経線維腫症Ⅱ型は、両側性の前庭神経鞘腫を主徴とし、NEUROFIBROMIN 2遺伝子の変異が原因とされる。神経線維腫症Ⅱ型患者は、進行性に日常生活動作能力が低下するため治療成績向上が望まれる。患者の約半数は孤発例とされているが、多くの孤発例の病態は未だに解明されていない。本研究では、エピジェネティクス制御に着目し、孤発性神経線維腫症Ⅱ型の発症にマイクロRNAが与える影響を解明することを目的に検討を進めている。 今年度は、所属研究機関ならびに共同研究機関における倫理審査委員会への審査申請を進め、当該委員会より研究実施に関連する承認を得られた。並行してiPS細胞培養に関連した実験環境の整備を進めた。その後、患者由来iPS細胞の作製に向けた検体提供者を募った。当初は、患者の尿を検体としたiPS細胞樹立を予定していたが、患者負担を考慮し、樹立に使用する検体を末梢血単核球へと変更した。その結果、家族性神経線維腫症Ⅱ型患者1名および孤発性神経線維腫症Ⅱ型患者1名より末梢血単核球の提供を受け、エピソーマルベクターを用いたiPS細胞樹立を開始した。加えて、遺伝子変異を確認するため両症例の全ゲノムシーケンス解析を開始した。当初の予定と比較して、患者リクルートが遅れたことが影響し、今年度中のiPS細胞樹立が完了していないが、樹立経過は順調であり次年度早々に患者由来iPS細胞を用いた実験に着手する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者由来iPS細胞樹立に向けた患者リクルートが遅延したことにより、今年度中にiPS細胞の樹立が完了していない。そのため、当初予定していたシュワン細胞への分化誘導や分化細胞の特性評価を実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞の樹立経過は順調であり次年度早々に分化誘導実験に着手する予定である。研究人員の調整を通して、本研究課題を推進することとしている。
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Causes of Carryover |
ヒトiPS細胞樹立の委託料および全ゲノム解析の委託料の支出が次年度となったため、これらに係る予算が次年度使用となった。
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