2023 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞急性期に対する間葉系幹細胞由来細胞外小胞の経鼻的投与
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23K08535
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川堀 真人 北海道大学, 医学研究院, 講師 (50399870)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脳虚血 / 間葉系幹細胞 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
準備:エクソソームの抽出(10万Gの超遠心法)・ラベリング(ExosparklerとPKH26)・モデル動物(Threadモデル・全脳虚血モデル・distal MCAOモデル)の作成・組織学的評価などの予備的な検討を大学院生が行い、手技の習熟を行った。その後In-vitro・In-vivoの研究を開始した。 In-vitro研究:セルライン(神経芽細胞種株SY5Y・マイクログリア株BV2)に対してLPS負荷もしくは酸素栄養剥離(Oxygen glucose deprivation: OGD)を加え、エクソソームの投与を行い、生存率(CCK)および炎症性サイトカイン(IL6/TNF-a)の定量を行った。エクソソームの投与によって生存率の改善および炎症性サイトカインの低下が認められた。エクソソーム内に含まれる成分の分析を行いmiR125a-3pにTargetを絞ってmiR125a-3pのmimicもしくはinhibitorを使用し追加の検討し、炎症の制御に関係している事を確認した。 In-vivo研究:ラット全脳虚血モデルに対してエクソソーム(1x10^8個)を経鼻的に梗塞後3日間連続投与を行い、高次脳機能障害・脳内アポトーシス・脳内炎症に対する評価をおこなった。結果、エクソソーム投与群において8方向アームテストで高次脳機能障害が軽減している事を確認し、記憶に投与している海馬のアポトーシス(Apoptag染色、Caspase染色)および炎症細胞浸潤(CD68染色)が軽減している事を確認した。また経鼻的に投与したエクソソームが投与1時間では嗅球周囲に多く存在するが、その後24時間までの間に脳内に経時的に増加している事も確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
想定以上に研究が進捗している。Negative dataが少なかったことが理由と考える
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Strategy for Future Research Activity |
全脳虚血以外のモデル(一過性片側脳梗塞モデル)や永久閉塞モデルにおいても同様の結果が得られるかを確認する
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Causes of Carryover |
研究が予定以上に順調に推移したため、必要と見積もっていた動物や実験器具が少なく済んだ。今年度以降に別モデルでもデータを取るため使用する予定である
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