2023 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of Novel Dementia Therapies Using in vivo Direct Programming Methods
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23K08543
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山下 徹 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60644408)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ダイレクトリプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで培ってきたダイレクトリプログラミング技術を脳血管性認知症やアルツハイマー型認知症などの認知症への治療応用へ展開することが主な目的である。計画している具体的な研究項目は、① 2つの異なる脳血管性認知症マウスモデルと評価バッテリーの確立、② BBB透過型AAVウイルスベクター投与によるANS強制発現 + PTB ノックダウンによる治療効果の検討 の2つである。
令和5年度は、左内頚動脈をマイクロコイルで狭窄させ、右内頚動脈をアミロイドコンストリクターと呼ばれる動脈を緩徐に狭窄させるデバイスを用いての受け血流をゆっくり低下させる脳血管性認知症マウスモデル:ACASモデルを作成し、その機能解析ならびに病理切片の解析を行った。 レーサードップラー計による脳血流の推移を詳細に評価したところ、ACASモデルでは、手術後1-3週間後には脳血流が50-60%程度低下しすることが確認できた。またBederson Scoreでは運動機能低下が確認できた。脳切片を作成しNissl染色を行って評価したところ大脳皮質や基底核に小梗塞病変が多発し、また海馬のCA1にも虚血性病変が再現性良く確認することができた。炎症マーカーの一つである抗Iba1抗体で染色したところ、ACASモデルでは脳内の小梗塞病変周囲に炎症細胞浸潤が起こっていることも確認できた。 また、これと並行してin vivo direct reprogammingに用いるウイルスベクターの構築を行い、動物実験に使用するために十分な量のウイルスベクタープラスミドならびにHEK203FT細胞の準備を行った。今後、このACASモデルを使用して、in vivo direct reprogramming 法の治療効果を評価する予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、ACASモデル(左内頚動脈はマイクロコイルで狭窄させ、右内頚動脈はアミロイドコンストリクターと呼ばれる動脈を緩徐に狭窄させるデバイスを用いて脳血流をゆっくり低下させてモデル作成)の機能解析がすでに完了しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、予定通り、BBB透過型AAVウイルスベクター投与によるPTB ノックダウン + ANS強制発現による治療効果の検討を進める予定としている。
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Causes of Carryover |
2023年度では、ACAS動物モデル作成数が予定よりも少なかったが、2024年度はその分多くのACAS動物モデル作成を行う予定としている。
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