2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of tumor angiogenesis mechanisms other than HIF pathway and search for novel anti-angiogenic drugs
Project/Area Number |
23K08559
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高柳 俊作 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90406489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 浩数 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50548625)
田中 將太 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (80643725)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 腫瘍血管新生 / 血管芽腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
HIF(Hypoxia inducible Factor)は低酸素下で誘導される転写因子で血管新生にも関与している。そのHIFの阻害薬であるbelzutifanが遺伝性疾患von Hippel-Lindau(VHL)病患者の腎癌や中枢神経系血管芽腫の治療においてFDAで承認された。しかし、belzutifanの腫瘍奏効率は30%程度であり、HIF系経路以外の腫瘍血管新生機序がまだある事が予想され、その部分を標的とした抗血管新生薬の新規創薬が望まれている。研究代表者は以前より腫瘍血管新生が旺盛な血管芽腫の統合的ゲノム解析を行ってきた。また、当科のVHL病症例などからVHL病特異的iPS細胞を樹立されている。本研究では、これらのデータや腫瘍機能評価のための共培養(腫瘍細胞と神経細胞)システム等を用いて、HIF系経路以外の腫瘍血管新生の機序を解明し新規抗血管新生薬の探索につなげる事を目標とする。2024年度は当科で手術時に採取したHBの手術検体(全84例)のDNAを用い、VHL遺伝子異常の解析、SNParray、Infinium450Kを用いた網羅的メチル化解析などを行い取得したデータの解析などを中心に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記で述べたごとく、2024年度は当科で手術時に採取したHBの手術検体(全84例)のDNAを用い、VHL遺伝子異常の解析、SNParray、Infinium450Kを用いた網羅的メチル化解析などを行い取得したデータの解析などを中心に行った。しかし、ほぼ全例にVHL遺伝子異常を認めたことはわかったが、それ以外の有意な遺伝子異常がまだみつからず、HIF経路系以外で腫瘍血管新生に有力な候補がまだ見つかっていない状況である。ただ、データ解析により、血管芽腫には病理学的にはほぼ一様な所見を呈していても、実は3つのサブグループがありそうであることが判明し、この部分の解析により新規血管新生機序の解明につながるかもしれないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のごとく2024年度に施行したデータ解析により全例にVHL遺伝子異常を認めたことはわかったが、それ以外の有意な遺伝子異常がまだみつからず、HIF経路系以外で腫瘍血管新生に有力な候補がまだ見つかっていない状況である。ただ、データ解析により、血管芽腫には病理学的にはほぼ一様な所見を呈していても、実は3つのサブグループがありそうであることが判明し、今後はサブグループごとの解析を行う事で新規血管新生機序の解明につなげたいと考えている。さらなる病態解明のために、当科腫瘍検体を用いたシングルセル解析も考慮している。
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Causes of Carryover |
本年度は、さらなる病態解明のために、メチル化解析のデータ解析などを行ったが、残余金が生じた。来年度は、予算が許す範囲でより高額なシングルセル解析などを行う事も考えている。
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Remarks |
東京大学医学部脳神経外科 VHL・NF外来 https://www.h.u-tokyo.ac.jp/neurosurg/gairai/VHL.html
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